今季ACLを戦う神戸はすでにリーグ戦2試合を消化している。名古屋のホームに乗り込んだ開幕戦は、ファーストゲームによる緊張感も漂う中で思うような戦い方を披露できなかった。持ち前のポゼッションで相手の堅い守備を崩すことができず、カウンターから失点を喫するなど、0-2で敗れるホロ苦い90分となった。
それを受けて迎えたのが23日の第9節・浦和戦だ。昨年度の天皇杯覇者で、神戸同様ACLを戦うリーグ屈指の強豪のホームに乗り込んだ試合は、昨季まで浦和でプレーしていた槙野 智章、汰木 康也にとっての思い出の地。強い思いが込められたマッチアップとなり、武藤 嘉紀のテクニカルなシュートで先制したものの、立て続けの失点で逆転される。開幕戦同様に難しい流れに陥り、相手に1人退場者が出てからは中央を固められる状況となった。
ここで投入されたのが、コンディションを考慮して開幕戦を欠場していた司令塔のアンドレス イニエスタ。トップ下に入り、長短のパスを駆使しながら崩しを狙っていくと、87分に正確なクロスを供給し、ここに飛び込んだのが槙野。頭で古巣ゴールに恩返し弾を打ち込み、2人の役者が劇的なドローを引き寄せている。三浦 淳寛監督は「この勝点1が必ず最終的には影響してくるのかなと思っています」と話し、最後まで粘り強く戦った選手を労う。まだ勝利こそないものの、試合をあきらめない執着心ある戦いぶりを見せている。今季初勝利を懸けて今節、ホームのピッチに立つことになる。
ただ、福岡から勝点を獲得するのは容易なことではない。昨季の2試合はいずれも神戸が勝利しているものの、アウェイでは2-1、ホームでは1-0と僅差の戦いが続いた。どちらがスコアを動かすか分からない一進一退の攻防が長く続くゲーム展開を強いられており、J1昇格初年度ながら8位と躍進した福岡の粘り強さを、その身をもって体感したと言っていいだろう。
その福岡は開幕戦で昨季のJ2を制した磐田と、23日にはJリーグYBCルヴァンカップDグループ第1節で湘南と対戦している。磐田との試合はアディショナルタイムに同点ゴールを許す結果となったが、狙いとしたサッカーをピッチで体現し、確かな今季の第一歩を刻んでいる。さらに湘南戦はアウェイで1-3で敗れたが、リーグ戦とは異なる多くのメンバーが今季最初の公式戦の舞台を経験できたことはポジティブだ。それぞれの試合で出た課題や修正点を整備しながら、今季初勝利を目指してアウェイに乗り込むことになりそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
