湘南は直近2試合では、比較的内容の良い試合ができている。前々節・京都戦ではほとんどの時間で主導権を握ることができ、自分たちのサッカーをある程度表現できた。前節・鹿島戦は敗れはしたが、高い位置でボールを奪い、そこからゴールへと結びつけることができた。
ベテランの山本 脩斗も「自分たちの良いところは高い位置からアグレッシブにプレスを掛けて、ボールを取ってから速い攻撃を仕掛けること。京都戦、鹿島戦は後半からではなく(試合の)頭から出せていました。そこは前向きに感じている部分」と手ごたえを示していた。
ただ、共通して言えることはどちらもゴールが少なかったことと、数少ない自分たちのピンチを相手にモノにされてしまったこと。そんな課題を抱えながら、インターナショナルマッチウィークに突入し、リーグ戦は一時中断。1週間空いて、この広島戦へと臨むことになった。
しかし3月29日、クラブから「選手8名が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けました」という発表が出された。負けられない一戦に臨もうとしている中、台所事情が一気に苦しくなった。
「選手、スタッフの中で『徹底して対策をやっていた』という自負があった中での出来事で、『こればかりはどうしようもないな』という気持ちでいます。陽性者になった選手にも『どうしようもないから次に向かって早く回復してほしい』という話をしました。それでも、試合は来ますし、チームとして練習はやります。とにかく、ネガティブになることなくやっていこうと話しました。結果も出ていない中で考えることも多いですけど、こういうときだからこそ、できる幸せを感じながら、逆にチャンスと思いながら、前向きにいこうと話しました」(山口 智監督) 今年の3月8日まで、選手からは一度も新型コロナウイルス感染症の陽性者を出したことがなかった湘南だが、それが一気に8人も出たとあれば動揺は小さくない。それでも、残ったメンバーでいつもどおり準備を徹底し試合に備えようと山口監督は選手に呼びかけている。
広島に対して山口監督は「監督が代わって去年とは違う勢いがあるのかなと見ています」と話し、「守備に関しては前から来る勢いが去年とまったく違いますし、攻撃に関してもコンビネーションで厚みを出して、素晴らしいものがある」と警戒する。
前節、川崎Fと対戦した広島はゴールを決め切れず0-2で敗れたが、失点するまでは「王者の川崎Fに対して良いサッカーができた」とミヒャエル スキッベ監督は手ごたえを感じ、「チャンスをモノにするところを改善して、これから点を取っていく形を作っていきたい」と語っていた。
ともに内容が悪くない中、ブレイクスルーを起こし、ゴールを量産するのはどちらか。今後、飛躍していくための試合にもしたい。
[ 文:舞野 隼大 ]
