ホームの名古屋は、開幕戦こそ神戸に2-0と勝利を収めたものの、その後の4試合ではいずれも勝星を挙げられず、順位は14位と低迷。もし今節で敗れるようなことがあれば、最下位に落ちる可能性さえある。
前節はG大阪を相手に、セットプレーから先制点を奪われると、選手交代でエンジンをかけたが決定的な場面もシュートを決められず、逆に不運な形のオウンゴールで追加点。さらに前がかりになったところを突かれ、今季最多の3失点を喫した。
その後、意地で1点は返したものの、結果は1-3で敗戦。昨季は38試合中21試合でクリーンシートを達成したが、今季は5試合で1試合のみと、最大の強みだった守備が少し揺らいでいる。
だが、最も気になるのはやはり“得点力”だ。前節も決定的と言えるチャンスの数は相手よりも多かった。それでも枠を捉え切れなかったり、GKの手が届く範囲やスピードであったりと、肝心のゴールネットが揺らせない。サッカーは攻守が一体であり、得点が決まれば守備にも余裕が生まれるはず。逆に良い守備が良い攻撃につながることも多い。チームとして目指しているアグレッシブな守備、そしてアグレッシブな攻撃を90分間ブレずにやり通したい。
その中で注目したいのは、チームの心臓となるボランチだ。前節は前半終了間際から仙頭 啓矢がトップ下からボランチにポジションチェンジし、ボール回しがスムーズになった。これまでは稲垣 祥とレオ シルバのコンビで戦ってきたが、仙頭をボランチに置いても十分に戦える手ごたえを得たことで、チームは戦術的なオプションを1つ増やした構図である。
前半のみで交代した稲垣も、ゴール前への飛び出しや運動量の部分ではチームの大きな武器であり、仙頭と稲垣のコンビも面白いかもしれない。いずれにせよ長谷川 健太監督がどのような狙いで、どんな選手起用をするか、そこから楽しみである。
アウェイに乗り込む湘南も、開幕からいまだ勝星なしで18位と苦しい現状にある。前節は広島を相手に粘りの守備を見せていたものの、60分に失点。その後も1点が遠く、0-1で今季初勝利とはいかなかった。
ただ、チームは選手8人が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けて欠場。加えてU-21日本代表で中盤の要の田中 聡が負傷と主力を大きく欠く状態だった。その中で大崩れすることなく90分間戦い抜いたことはポジティブに捉えたい。前節の反省を生かして安易なボールロストを抑え、何はともあれ、まずは初勝利を目指したいところだ。
昨季の両チームの対戦は、名古屋の1勝1分。2018年にそろってJ1昇格してからの対戦成績は名古屋が3勝、湘南が1勝、4試合が引き分けと、若干名古屋が有利というデータになっている。チームを立て直すための最高の“良薬”となる白星をつかむのは、果たしてどちらのチームとなるだろうか。
[ 文:斎藤 孝一 ]
