横浜FMは16日間で6試合戦ったACLグループステージを4勝1分1敗で首位突破。最初の2試合こそ異様な高温多湿、良いとは言い難いピッチコンディション、Jリーグと異なる公式球に苦しめられたものの、試合ごとに適応を深め、中2日の連戦を大胆なローテーションを組んで乗り切った。
今節は快勝した4月10日の第10節・鹿島戦以来となる国内でのゲーム。その鹿島戦は県立カシマサッカースタジアムで10年ぶりとなるリーグ戦勝利を収め、ACLへ向けて勢いづけると、ベトナムの地でも試練を乗り越えたことでさらにその勢いは加速した。「環境が整っている日本やJリーグは不規則なことが起こらず試合にも練習にも臨めるが、ベトナムではいろいろとアクシデントもあり、試合の入り方でもオーガナイズの違いがあった。その中でも試合をこなすごとに選手はタフになっていったことを感じた」。チームで唯一、ACLで全試合にフル出場した高丘 陽平はこう胸を張る。
ACLの最終戦から中5日で迎える今節と来週末の次節・湘南戦は連戦ではなく、ベストメンバーで戦うことが予想される。「全員を信頼する」と語るケヴィン マスカット監督は多くの選手をピッチに送り出すことは厭わない一方、ACLの起用法から透けて見えるモノもあった。前出の高丘のほか、全試合に出場した岩田 智輝と主将・喜田 拓也、ローテーションを崩して起用された小池 龍太とエウベルへの信頼度は高く、現時点でポジションを手中に収めたと見ていいだろう。
ただ、指揮官の考えは少し違うようだ。「自分は選手たちには『限界を作るな』と伝えている。この(会見の)場で誰かと名前を挙げると、それはフェアではなくなる。土曜日に先発で送り出される11人は責任感を持って戦い、選ばれなかった選手は責任感を持ってポジションを狙うことが大事になる」。具体的な個人名は挙げず、常に競争意識を求めることで新陳代謝を図り、常に成長を促している点もいまの横浜FMの強みになっている。
対する名古屋は対照的な状況に置かれている。5試合勝ちがなく、その間で奪った得点はわずかに『2』。前節・京都戦もマテウス カストロの直接FKから先制するも前半のうちに追いつかれ、「追加点を取れない」(長谷川 健太監督)という課題をクリアできなかった。「決め切る力を持たなければ……」と長谷川監督。リーグ屈指の攻撃力を持つ横浜FM相手だけに、2点目が6試合ぶりの勝利への条件となりそうだ。
[ 文:大林 洋平 ]

