清水は、直近のルヴァンカップで広島をホームに迎えた。ターンオーバーで臨んだ一戦は、清水が幸先よく先制する。34分、西澤 健太のCKをニアで神谷 優太がコースを変え、ファーから岸本 武流が押し込んだ。62分には広島の永井 龍に同点ゴールを決められるが、終盤にドラマが待っていた。この日、左SBで先発した滝 裕太が、西澤のスルーパスに飛び出し、GKとの1対1を冷静に決めて勝ち越し。
「ここまでは、サッカー人生で初めてというくらい苦しんだ時期だった。ゴールを決めて吹っ切れた感じがする」という滝のゴールが決勝点になって、清水は勝点を8に伸ばした。
同時刻に試合が行われた名古屋は、盤石の戦いを見せた。徳島を相手に10分、阿部 浩之の左CKから吉田 温紀が強烈なヘディングを叩き込んで先制。前半アディショナルタイムには相手陣内で稲垣 祥がボールを奪い、横パスを柿谷 曜一朗がスルー、ファーから阿部が押し込んでリードを広げた。後半にも甲田 英將のシュートがクロスバーにはじかれるなど、チャンスを作り続けたまま試合終了。
「前半戦は苦しい戦いになりましたが、最終的には勝点10を取れたので、選手たちは終盤よく頑張ってくれたと思います」と長谷川 健太監督が話すように、尻上がりに調子を上げてプレーオフステージ進出を決めた。
そこから中2日のリーグ戦で両者が対戦。プレーオフステージ進出を逃した清水にとっては結果的に複雑な勝利となったが、平岡 宏章監督は「彼らには前向きな言葉しかかけていないし、ネガティブなことは一切言っていない。当然、修正するところはあるが、君たちはできている。あともう一歩のところをみんなで突き詰めていこう」と試合後に選手たちに話したそうだ。
そして何より、今季公式戦5分3敗と鬼門となりつつあったホームゲームでようやく勝利し、今節を迎えることになった。「アイスタ(IAIスタジアム日本平)ではなかなか勝てなかったが、この勝利を機にリーグ戦でもホーム初勝利を目指して良い流れに乗れたらと思う」と、清水での初ゴールを決めた岸本は話す。
水曜日に行われた明治安田J1第11節で浦和がドローに持ち込んだため、清水は順位を1つ下げて16位とJ1参入プレーオフ圏内に突入してしまった。清水にとっては再び瀬戸際の状況になってしまったが、13位・名古屋とは勝点1差。この直接対決は、お互いにとって重要な試合になるだろう。またルヴァンカップでは、両チームともリーグ戦で出場機会に恵まれていない選手たちが躍動したが、彼らが今節にどれだけメンバー入りするかも見どころの1つになる。
[ 文:田中 芳樹 ]

