直近の明治安田J1第11節、上位・横浜FMをホームで迎え撃った浦和は、序盤から主導権を握れずにあれよあれよと、前半で3失点。入りはそう悪く見えなかったが、失点を重ねるごとにプレーからは精度と自信が失われていったように映った。
ただ、「ハーフタイムでは誰も折れていなかった」(松尾 佑介)という浦和は後半から反撃を開始。「後半はリスクを冒して前から行く。できるだけ早く1点目を取りたい」とリカルド ロドリゲス監督も背中を押し、47分に1点を返すとスタジアムの雰囲気が一変。「スタジアムの雰囲気だったりの後押しもあって、勝点を持ってこられた」と松尾が振り返ったように、ホームの後押しを受けて81分に2点目を奪うと、89分に同点に追いつく。土壇場で敗戦を回避した。
3得点中2点が裏1本の攻撃であったように、本来のスタイルからはズレもあったが、「選手たちが最後の最後までピッチで出し尽くしてくれたスピリットはすごく良かった」(リカルド ロドリゲス監督)と、これまでになく気迫や気持ちが見えたゲームでもあった。結果はもう一歩届かなかったが、何かを変えるきっかけになると予感させる試合だった。
ただ、早々に失点を重ねたこと、前半は攻撃が機能しなかったことと、後半も決して理想とするサッカーができていたわけではないことは厳然たる事実。闘志やマインドは継続しつつ、サッカーの内容を再確認したい。
対鹿島ということを考えればやはり、上田 綺世と鈴木 優磨の強力2トップをなるべく孤立させたい。横浜FM戦の後半のように、積極的なプレッシングで鹿島のディフェンスラインと中盤に圧力を掛けて、2トップに良いボールを供給させないことは意識していきたい。整然さを取り戻しつつアグレッシブに。難しいバランスを求められるが、そもそも上位に勝つにはそれくらいの水準を発揮する必要がある。
一方のアウェイ・鹿島は好調だ。前々節・広島戦でひさびさの敗戦(0●3)を喫したが、前節・札幌戦ですぐに立て直して4-1と大勝。さらに水曜日のJリーグYBCルヴァンカップAグループ第6節では、メンバーを大幅に入れ替えながら3-1で勝利。こちらは3連戦目となるが、ターンオーバーで疲労を調節しつつ勝星を積んでいる。川崎Fに首位を譲ったとはいえ、得失点のバランスを見ても最も充実したクラブの1つなのは間違いない。
上位グループから大きく離されている浦和は、依然として勝つしかない状況が続く。横浜FMを叩けなかった以上、優勝への灯を消さないためにも、その上にいる鹿島からはなんとしても勝点3を奪取したい。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
