一昨季は3位、昨季は5位だった名古屋。今季は12年ぶりのリーグ優勝を目指していたが、序盤戦の不振が響き、前半戦を終えて10位となっている。首位との勝点差は『14』と大きく引き離された。
だが、過去の逆転優勝劇を見ると、2014年にG大阪が勝点差14をひっくり返して戴冠した例がある。そのときの監督は現在名古屋で指揮を執る長谷川 健太監督。“蜘蛛の糸”のような可能性かもしれないが、あきらめずに戦えば何かが起こるということは経験済み。目の前の試合を全力で戦っていくという姿勢はチームに植えつけられている。
しかし、逆に言えばこれ以上勝点差が開くとより厳しくなる。特に今節は優勝争いの渦中にいる2位の鹿島が相手。どの試合も大切だが、特にこのゲームは勝ち切りたいところだ。
名古屋は前節、浦和に0-3で完敗を喫してしまった。前半から守備がハマらず、相手のやりたい攻撃を受け続けて失点を重ねた。普段は「切り替えて次の試合に」とインタビューに答える中谷 進之介も、「切り替えよりも、まずはこの0-3の敗戦をしっかり受け止めないと。原因を追究することが大事だと思う」と反省を口にした。
週中の天皇杯3回戦・金沢戦(1○0)は、自分たちがボールを支配する時間が長く、守備の修正がどれだけ進んだかは不明。それだけに強力な攻撃陣を擁する鹿島を相手にどれだけ守備の強度を上げられるか、またうまく守備がハマらなかったときにどう対応するかが注目ポイントになる。
そして、勝つためにはやはり得点が必要だ。天皇杯では何度も相手ゴール前に迫ったものの、得点はPKによる1点だけ。シュートはことごとくDFにブロックされてしまった。もちろん相手守備陣の集中力を高く評価すべきところもあり、最後のシュートはサッカーの最も難しい場面だが、あと10センチズラして打つとか、0.1秒早く打つなど、細部を突き詰めることで得点力不足を解消したい。
一方、後半戦をアウェイゲームからスタートする鹿島は、首位を勝点差1で追っている。特に攻撃陣が好調で、総得点28はリーグ2位。前節・京都戦はセットプレーからアルトゥール カイキがヘディングで決めた1点だけだったが、天皇杯3回戦・大宮戦は仲間 隼斗のゴールで先制すると、後半は鈴木 優磨と上田 綺世が加点し、3-0の勝利を収めた。
J1上位陣の多くが苦杯をなめた天皇杯3回戦だったが、鹿島は安定と貫禄のベスト16進出。その勝負強さを引き続き今節も発揮し、首位争いの中心に居続けたい。
天気予報では高温多湿となりそうな日曜日の豊田スタジアム。万全な熱中症対策をして、Jリーグ創設時から続く両チームの熱い戦いをぜひ楽しんでほしい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
