今節、豊田スタジアムで行われるのは、10位・名古屋と3位・広島の対戦。広島は先週末の前節・川崎F戦に敗れ、週中に首位・横浜FMが勝利を収めたことから、首位との勝点差が『8』に開いてしまった。5連勝を飾った前々節終了時点では暫定ながら首位に立っていたが、タイトル争いからは一歩後退。ただ、現在の3位の位置を死守できれば、来季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を獲得できる。4位のC大阪は広島より1試合消化試合が少ないが、勝点3をリードしている状況。今節も勝点3を積み上げてその差を保ちたい。
一方で名古屋は、この広島戦に敗れると数字上でも3位以内の可能性が消滅する。だが、それ以上に今節は勝たないといけない理由がある。
オリジナル10のチームのほとんどがそうであるように、名古屋は今年クラブが発足して30年の記念の年。今節の広島戦と次節の横浜FM戦は、『クラブ30周年記念試合』の冠がつき、クラブ30周年記念ユニフォームを着用するなど、大々的なイベントを実施する。このイベントを成功させるためには、好調な広島が相手だとしても負けることは許されない。
折しも現在の名古屋は、トップ3とのホーム3連戦の最中だ。直近の明治安田J1第22節では、2位・川崎Fを迎え撃った。日中は気温が33℃まで上がり、試合開始時点でも蒸し暑さが残る中、序盤は相手にペースを握られたが、選手の配置を変更するなどして対応。ピンチもなんとかしのぎスコアレスで前半を折り返した。
後半は地力のある川崎Fに先制点を奪われたが、CKの跳ね返りを稲垣 祥が得意のミドルシュートで突き刺して同点に。その後は見違えるように選手の動きが良くなり、逆転弾こそ生まれなかったが、2連覇中の王者を押し込んだまま試合を終えた。
これまで途中出場の選手がチームにエネルギーを加えることが少なかった名古屋だが、この試合では随所にそうした選手の活躍が目立った。その勢いをそのまま広島戦に持ち込みたい。
一方、アウェイに乗り込む広島は、前述のように前節、川崎Fとの上位対決に0-4で敗れた。天皇杯準々決勝から中2日の厳しい日程で、それでも序盤から球際で激しく、アグレッシブな守備で互角に戦っていったが、34分に先制点を決められると、後半は相手の勢いを止められずに3失点。連勝が『5』で止まった。メンタル的にも厳しい敗戦だったと言わざるを得ないが、今節は名古屋が中2日に対して、広島は中6日の日程。体力的にも有利であることは疑いようもなく、ACLへの挑戦権を獲得するためにも、気持ちを切り替えて今節に臨みたい。
そして今節が終わると、カタールW杯に向けた総仕上げとも言える、日本代表のドイツ遠征が行われる。今回、名古屋の相馬 勇紀が7月のEAFF E-1 サッカー選手権に続いて選出された。ぜひその相馬のプレーにも注目してほしい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
