清水の直近のゲームは“静岡ダービー”。試合前には清水が17位、磐田が18位という順位での戦いになった。序盤から清水がペースを握り決定機を作ったが、GKのファインセーブもあってなかなかゴールが奪えない。それでもなんとか先制点を奪う。34分、右CKからゴール前の混戦をチアゴ サンタナが落ち着いて決めた。後半は一転して磐田の攻撃を受けたが、決定機は作らせていなかった。90分が経過し、勝利を確信し始めた矢先だった。90+2分、ジャーメイン 良に豪快に決められ、まさかのドローに終わった。
清水は明治安田J1第29節・湘南戦に続いて、ホームでは2試合連続で後半アディショナルタイムに失点し、勝星を逃した。勝てば13位浮上となったが、G大阪と勝点で並び、かろうじて自動降格圏を抜け出したのみ。今節で敗れると他会場の結果次第で16位以下が確定してしまう可能性もあるという厳しい状況に追い込まれてしまった。
試合後、「まだ頭がしっかりと働いていない状態で、正直コメントをするのは難しいです」と話していたように、ゼ リカルド監督の落胆の様子が伝わってきたが、「まだまだ自分たちの姿勢を崩してはいけない。29日はまた別の決勝戦のような戦いになるので、そこにすべてを出し切りたいです」と前を向いている。チームは月曜から練習を再開。松岡 大起が「最後はあのような結果になったが、やってきたところ、やるべきところは間違ってはいない」と言い切るように、自信を失わずにホーム最終戦の勝利に向けて準備している。
一方の鹿島は上記のようにチームとして調子を崩しているが、前節はようやく“らしさ”が見えた試合だったと言える。樋口 雄太のゴールで先制したものの、前半に立て続けに失点して1-3と逆転されてしまう。だが、後半開始直後にエレケが1点を返すと、後半アディショナルタイムにエヴェラウドのゴールで執念のドローに持ち込んだ。
「(サポーターが)最後まで一緒にこの空気を作ってくださって追いつけたというところは、一歩まではいきませんけど、半歩前進できたと思っています」と岩政 大樹監督が話しているように、手ごたえをつかんで3週間のブレイクに突入することができた。岩政監督就任後、なかなか結果を出せていないが、この期間でもう一度チームを立て直すこともできる。シーズン途中で加入したエレケも来日初ゴールを決めて、よりチームにフィットするだろう。一時は優勝を狙える位置につけていたが、現在は6位。それでも残り2試合で、1つでも上の順位を狙う。
[ 文:田中 芳樹 ]

