福岡の状況はかなり前向きなものだ。前節・札幌戦で2-1の逆転勝利を収めたこと、札幌戦後の3週間の中断期間でかなり良い調整ができたことがその理由だ。
また、堅守を売りにする一方でリーグワーストタイという得点力の乏しさにより、先制を許してしまうと勝利の確率が低下する状況が続いた中、明治安田J1第30節・清水戦(3○2)と札幌戦では、先制を許しながら複数得点を奪って勝点3を手にしている。
9ゴールでチームトップスコアラーとなっている山岸 祐也も「これまでなかった逆転勝利が2試合出ている。それはチームの勝ちたいという思いとゴールへ向かう姿勢が出た結果」と話している。ここに来てつかんだ2つの逆転勝利はチームにとっての大きな自信になっている様子だ。そして、その自信を深めるためにこの中断期間には攻撃面の整備に時間を割いたと言うから、残留を実現するために非常に重要となる今節も、余裕を持ちながら試合を運べるのではないか。
一方の柏は8試合勝利から遠ざかる苦しい状況に陥っている。しかし、第24節・京都戦から失点が7試合続いた中で、前々節・G大阪戦と前節のC大阪戦はいずれもスコアレスドローで終え、持ち味である堅守が蘇ってきたことはプラス材料となる。ただし、2試合連続無得点に終わっているところは課題で、特になかなかカウンターが決まらないのがネルシーニョ監督の悩みの種となっている。
福岡の長谷部 茂利監督は「柏とは長所が共通する。1つは守備が個人ではなくチームとして整理されていること。もう1つはそこからのカウンター。だから長所を出せたほうが勝つと思う」と、今節の勝負の行方を予想している。
福岡は無失点が10試合もなく、武器である堅守をうまく表現できていない。しかし前記の通り、カウンターを中心にした攻撃力は出始めているところ。逆に柏はカウンターを軸にした攻撃があまり機能していないが、守備に堅さが戻ってきている状況。長谷部監督の「長所を出したほうが勝つ」との予測を補うとするなら“2つの長所をそろって出せたほうが勝つ”となるか。
お互いの長所を考慮するなら、ロースコアのゲームになるとの予想が立つ。前回対戦は第4節で、柏の6本のシュートに対して福岡が14本。しかし、マテウス サヴィオのゴールで柏が1-0で勝利を収めている。果たして今回のゲームはどんな内容で進み、どんな結末が待っているのか。
[ 文:島田 徹 ]


