川井 健太監督就任1年目となった昨季の鳥栖は、オフに大幅な選手の入れ替えがありながらも、それを感じさせない堂々とした戦いぶりを披露。最終順位こそ11位に終わったが、伝統のハードワークはそのままに、近年推し進めてきたロジカルなスタイルがさらに進化。順位以上に収穫の多いシーズンを過ごした。今季も川井監督が指揮を執るが、新たに15人の選手が加入。宮代 大聖、垣田 裕暉といった昨季のチーム1位、2位のスコアラーがチームを離れたが、川井監督の目指すスタイルに沿った選手たちの獲得に成功している。プレシーズンの準備期間でも現有戦力の中でいかに最大値を生み出すか。その組織作り、方法論を深めることに取り組んでおり、昨季までとはまた違った顔を見せてくれるはずだ。
対する湘南は昨季の最終順位が12位。シーズン途中には18位まで順位を下げ、残留争いに巻き込まれたが、後半戦は立て直しに成功。特に終盤戦は内容と結果が伴う試合を続けており、良い形でシーズンを終えることができたと言えるだろう。オフには近年ゴールマウスを守り続けた谷 晃生や瀬川 祐輔といった選手がチームを離れたが、カタールW杯の韓国代表メンバーだったソン ボムグンを新たに守護神候補として獲得。前線にも小野瀬 康介や山下 敬大といった実力者が加わり、選手層は厚みを増している。
この試合、鳥栖として警戒しなければならないのは町野 修斗になるだろう。このカードでの直近3試合すべてで得点を挙げており(4得点)、昨季の明治安田J1第33節では2得点を記録。3-0での快勝の原動力となっている。駅前不動産スタジアムでは2戦連発中となっているだけに、鳥栖としてはこれ以上の得点を許すわけにはいかない。川井監督も対湘南について「カウンターをまずはしっかりと対応すること。その中でわれわれが押し込む時間がもしかしたら増えるかもしれないですが、そうなったときにしっかりフィニッシュで終われるか。シンプルにその2つ」と警戒すべき点を挙げている。昨季の対戦ではまさにスペースを突かれる形から町野に得点を許しているだけに、同じ轍を踏むわけにはいかない。
鳥栖は初めてのJ1となった2012年以降、開幕戦の成績は4勝5分2敗。ここ3年はアウェイで開幕を迎えていたが、今回は4年ぶりにホームで開幕を迎えることになる。川井監督は「開幕戦に勝ったら勝点6がもらえる。それなら、めちゃくちゃ頑張りますけど、そういうものでもないので(笑)」とジョークを交えながら自然体を強調したが、「ファン・サポーターの皆さんがこの日を待っていたので、そういう気持ちはしっかりと理解して戦いたい」と続けた。2023年版の鳥栖がどんなサッカーを展開するのか。サポーターの期待を裏切らないだけのものを見せてくれるはずだ。
[ 文:杉山 文宣 ]
