横浜FMは前節、鳥栖とのアウェイ戦に臨んだ。立ち上がり早々にSBの裏のスペースを突かれる形から先制を許すが、そこから素晴らしいリバウンドメンタリティーを見せる。11分、リーグ戦初先発となったヤン マテウスの左足の豪快なシュートで同点に追いつくと、その10分後にはデザインされた崩しからヤン マテウスが逆転ゴールを決める。後半にもエウベルが技ありゴールで3点目を奪い、見事な逆転勝ちを収めた。
1トップとトップ下を低い位置に落とすビルドアップの成果が出たのが、鳥栖戦の1点目。サイドに開いてエドゥアルドから受け、下りてきたアンデルソン ロペスにダイレクトで横パスを出した永戸 勝也は言う。「監督が求める形を出せた。監督の中でも僕のポジショニングは手ごたえがあると思う。求められていた良い動きをできたし、開幕からなかった得点の形でもあるので、これを1つオプションとしてやっていけたらいい」。
そして、右サイドからの組み立てが多くなる一方で、永戸とエウベルの“左サイドの鉄板コンビ”も位置取りの工夫が見られる。「ゴールキックから始まる場面、スピードアップしそうな場面、相手陣地に入った場面と、段階別にポジショニングがあると思っている。例えば、相手のプレッシャーをはがせてスピードアップしそうなときは高い位置を取り、鳥栖戦の2点目のように相手のコートに押し込んだときはインサイドを取る感じ」(永戸)と、試合を重ねるごとにイメージも明確になってきた。低い位置からの細かなパスワークだけでなく、長いボールで一気に裏返す形にもトライしているだけに、柔軟に使い分けることができれば、前からハメにくる京都を惑わすことができるだろう。
対する京都は前節、川崎Fとホームで対戦。最終盤まで互角の展開が続く中、後半アディショナルタイムに途中出場の小林 悠に劇的なヘディングシュートを決められ、2試合ぶりの黒星を喫した。一方、「選手は最後までラインを押し上げていた。『勝点1で良かった』との声があるかもしれないが、僕は選手の心意気を買いたい」と曺 貴裁監督。京都のクオリティーを随所に出しつつ、調子を上げてきた優勝候補と互角に渡り合ったことはポジティブに受け取れる。
今節は内容をどう結果に結びつけられるか。昇格1年目の昨季は2連敗している相手に対し、早い時間帯の失点は厳禁。うまくゲームコントロールをしつつ、後半に勝負どころを作った上で、システムや戦術変更を駆使しながら王者を追い詰めていきたい。
[ 文:大林 洋平 ]

