お互いに堅守を特長とするだけに、球際では激しいバトルが繰り返されるだろう。現在3位タイの名古屋は6勝5分1敗と、12試合を終えてわずか一度しか敗れていない。総失点は『8』と、首位の神戸、広島と並んでリーグ最少を誇る。堅い3バックで相手を待ち構え、ボールを奪ったらマテウス カストロ、永井 謙佑、酒井 宣福、キャスパー ユンカーら多士済々の前線が鋭い攻撃を見せる。前節のG大阪戦では、相手陣でボールを奪ったところから右サイドを崩し、藤井 陽也のクロスがこぼれたところを稲垣 祥が押し込んだ。自陣で構えるだけでなく、相手陣での守備の圧力も鹿島を苦しめるだろう。
ただ、彼らを迎える鹿島も好調を維持する。4連敗と苦しんだあとに4連勝と復調著しい。何よりこの4試合はすべて無失点での勝利。守備は非常に安定している。ただ、これまでは比較的ボール保持を好むチームとの対戦が多く、“良い守備から良い攻撃”という自分たちのスタイルを出しやすかった。しかし、名古屋はどちらかというと堅守速攻型。鹿島はこれまで以上に自分たちがボールを保持する時間が長くなるだろう。
もし、そこで安易なパスミスが出るようだと、名古屋の武器である速攻が牙をむく。植田 直通、関川 郁万を中心とした守備陣が安定感を見せ始めたが、いくら彼らとて下がりながらの守備を繰り返すようでは苦しくなる。相手に攻められるにしても、前を向いて守備をする今までの形は変えたくない。
パスをさばき、ゲームメークを担うボランチのディエゴ ピトゥカは「試合のカギになってくるのは“我慢”」だと言う。
「焦ってボールを取られるのではなく、しっかりとボールを回して、チャンスを見つけたらそこで決定的なプレーをする。そのためにも“我慢”だと思います」(ディエゴ ピトゥカ) 好機を逃すことなく、一気呵成にゴールへ向かう。どちらのチームも献身的な守備でゴールを守りつつ、虎視眈々と攻めの機会をうかがう展開となりそうだ。
当日の国立競技場はイベントがめじろ押しだ。オープニングセレモニーでは、スペシャルゲストとしてRADWIMPSが来場。Jリーグ開幕30周年を記念して制作したアンセム『大団円』をライブパフォーマンスにて初披露する予定だ。さらに、このライブパフォーマンスでは、ラッパーのZORN(ゾーン)も参加することになっている。パートナー企業のブースや、ホームタウンのブースなど、スタジアム周辺でもさまざまなイベントがこの記念試合を盛り上げてくれるだろう。
[ 文:田中 滋 ]


