福岡の長谷部 茂利監督は今節に臨むにあたり、「そもそも大きな力の差がない。差がないからこそ、ちょっとしたことが結果につながるので、そこにこだわることが大事。われわれの選手たちもそこに気づいていると思う。小さな差が大きな結果と大きな喜びにつながる」とコメント。リーグ戦4連勝、天皇杯の2試合を含む公式戦6連勝と好調の波に乗っているが、これまでどおり慎重な姿勢を崩さず試合に入りそうだ。
横浜FCは前々節・広島戦を1-1で引き分け、前節で勝利。ここ2試合で勝点を重ねているものの、前節で17位・柏と最下位・湘南も勝利を収めたため、勝点差が広がらず、まったく気が抜けない状況にある。長谷部監督の「スキを作らず、スキを突く」というコメントどおり、緊迫感のあるゲームになると思われる。
福岡はもともと守備を重視するチーム。失点の多さが順位に大きく影響している横浜FCも、神戸戦でかなり守備を意識した選手配置と試合運びで3試合ぶりの無失点を実現した。高い守備意識を持っている両チームだけに、攻撃においてはセットプレーがポイントになりそうだ。
両チームのセットプレー絡みの得点数と率を見ると、福岡が総得点22のうちセットプレー絡みが9得点で40.9%。対する横浜FCは17得点のうち41.2%の7得点がセットプレー絡み。面白いのは福岡が9得点のうち5点がPK、横浜FCも7得点のうち3点がPKと、PKの割合が高いこと。
明治安田J1第6節の前回対戦は1-1のドロー決着となったが、それぞれの得点は山岸 祐也と小川 航基によるPKだった。今節も守備ブロックを崩すための積極的な仕掛けと、それによって獲得したPKが勝敗を左右することになるのか。ちなみに、横浜FCは神戸戦で途中出場の小川 慶治朗が倒されて得たPKを伊藤 翔が蹴ったが、GKに阻止されている。福岡の直近のPKによる得点は第17節・名古屋戦。佐藤 凌我が倒され、自ら決めている。しかしゲームは1-2で敗れた。
PK以外のセットプレー絡みの得点にはそれぞれの特徴も表れており、例えば福岡は前々節・湘南戦で前 寛之のFKを井上 聖也が高い打点のヘッドで落として、ドウグラス グローリが左足で押し込んだ。ドウグラス グローリは7月12日の天皇杯3回戦・岐阜戦でも、金森 健志の蹴ったCKにヘッドで合わせて得点。福岡のセットプレーは高さをうまく生かしていると言える。
対する横浜FCは神戸戦で山根 永遠のスローインを受けた岩武 克弥のロングボールで、山下 諒也のスピードを生かして得点につなげている。速さと、長谷部監督も警戒するうまさをセットプレーに絡めてゴールにつなげたいところだ。
J1における両者の対戦成績は3引き分け。同カード初勝利が今節で生まれるのか、その喜びを手にするのはどちらのチームになるのか、注目!
[ 文:島田 徹 ]


