横浜FCは前節、22分に先制されながらも、守りを固める名古屋を攻め立て、86分に高井 和馬のJ1初ゴールで同点に追いついた。夏の中断期間明けからの5試合で積み上げた勝点は『7』。リーグトップ3である神戸、横浜FM、名古屋に対して2勝1分という結果に、四方田 修平監督も「良い方向に来ているし、選手も成長を実感できている」と手ごたえを口にする。
追いついた名古屋戦はもちろん、前々節・横浜FM戦で今季初の逆転勝利を挙げていることは明るい材料だ。しかし同時に、ここ4試合はすべて先制点を奪われていることを重く受け止める必要がある。堅守速攻の戦い方がベースである以上、リードを許して相手にボールを持たされる展開は避けたいところ。代表ウィークの取り組みは「相手がボールを持っているときの守備のスライド」(伊藤 翔)に重点を置いたという。横浜FM戦を除き、失点はすべて右サイドで後手を踏んだところから始まっている。そこを持ち場とする柏の左サイドハーフはマテウス サヴィオ。集中力を高く保ち、4ゴール4アシストを記録している攻撃のキーマンを抑えたい。
一方の柏は前節、首位に立っていた横浜FMと対戦。相手にボールを握られながらも、コンパクトな陣形を保ちながら前線からプレッシャーを掛け、チャンスを作らせない。そして、52分にマテウス サヴィオがハイラインの背後を突いた流れから山田 雄士の復帰後初ゴールで先制すると、83分にはPKでリードを拡大。危なげない勝利を収め、井原 正巳監督は「首位のマリノスさん相手にまったくひるまず、自分たちから積極的に仕掛ける強気なサッカーができた」と語った。
こちらは夏の中断期間明けから2勝3分と、負けなしで勝点9を積み上げた。第12節以降は4分6敗と勝星から遠ざかっていたが、ここに来て復調してきた。その要因としては、夏に浦和から期限付き移籍で獲得したCB犬飼 智也の存在が大きい。「後ろで攻守の軸ができた感じ。ほかの選手が安心して自信を持ってプレーできるようになった」と四方田監督は分析する。加入後5試合でわずか2失点と守備が安定し、それが攻撃にも好影響を与えているのは間違いない。
柏の守備が堅くなっているだけに、1試合平均得点が0.85と攻撃に自信を持ち切れない横浜FCとしてはやはり先制点を与えたくない。「どれだけ失点せずに長い時間いけるかが大事になる」と伊藤。柏は総失点35のうち4分の1近くを76分以降に喫しており、後半アディショナルタイムの失点も『5』を数える。0-0のまま試合を進め、名古屋戦で同点ゴールに絡んだ高井や近藤 友喜、さらに坂本 亘基らベンチに控える攻撃のコマを投入して勝負を懸ける展開に持ち込みたいところだ。
[ 文:芥川 和久 ]
