2年連続でシーズンの幕開けをホームで迎える鳥栖は昨季、9勝11分14敗の勝点38で14位。川井 健太監督が率いて2年目のシーズンは一昨季よりも順位、勝点ともに下げる結果となってしまった。近年は毎オフ大幅な選手の入れ替えが起こっていた鳥栖だが、今季は最小限にとどめることに成功している。昨季の中核を担った小野 裕二、岩崎 悠人はチームを去ったが、前線にはマルセロ ヒアン、ヴィニシウス アラウージョの両ブラジル国籍アタッカーが加わり、ウイングにも昨季東京VのJ1昇格に大きく貢献した中原 輝が加わった。懸念点となっていた最終ラインにも丸橋 祐介や上夷 克典といった経験のある選手に加え、木村 誠二やキム テヒョンといった将来有望な若手が加入。昨季の課題を受け止めつつ、それを補う新戦力が加わっている。
一方、昨季6年ぶりにJ1を戦った新潟は11勝12分11敗の勝点45で10位。昇格組という立場ながら、J2時代から築き上げてきた明確なスタイルを武器に充実の内容と結果を残した。今オフには高 宇洋や渡邊 泰基らがチームを去ったが、J2で高い評価を受けていた長谷川 元希や宮本 英治、そして昨季鳥栖でキャリアハイとなる9得点を挙げた小野を獲得するなど、チーム力アップにつながる的確な補強に成功している。
昨季の対戦成績は鳥栖から見て1勝1分。ホームでは2-0で勝利し、アウェイでは先制を許しながらも同点に追いついている。いずれのカードでも得点を挙げたのが鳥栖に所属していた小野だが、その小野は今季から新潟の一員となっている。小野にとっては開幕戦からいきなり昨季まで所属した古巣との対戦になるだけに、両サポーターから最も視線を注がれる存在であることは間違いないだろう。闘志を前面に出す姿から鳥栖のサポーターに愛された男が、対戦相手として駅前不動産スタジアムに乗り込むことになる。
ちなみに、このカードはJ1に限れば6勝1分7敗とほぼ五分の対戦成績となっているが、ともにホームでの勝率が高い。鳥栖はホームでは5勝2敗だが、アウェイでは1勝1分5敗となっている。昨季もホームでは勝利を挙げているだけに、“地の利”を今回も生かしたいところだ。
川井監督、松橋 力蔵監督ともに今季が就任して3季目。予算規模はJ1の中で上位とは言えないが、両指揮官の下、明確なスタイルを築き上げ、リーグの中でも確かな存在感を放っている。ホップ、ステップ、ジャンプで言えば、3年目は飛躍する年。上位進出、そしてタイトル獲得のためにはやはり開幕戦を勝利で飾り、良いスタートを切りたいはず。明確なスタイルを持つチーム同士だけに、互いの良さを出し合う好ゲームになることは間違いないだろう。どちらが自分たちのスタイルで上回り、勝利を手にするのか。
[ 文:杉山 文宣 ]
