鹿島は前節、前線の並びを変更したことが功を奏した。それまでトップ起用されていたチャヴリッチを左サイドハーフに配置し、代わりに名古 新太郎がトップ下へ、鈴木 優磨を最前線に置いた。これによりプレス時に相手のCBやボランチから自由を奪うため、こまめにポジションを変える作業からチャヴリッチを解放し、守備で余計な体力が失われることを防いだ。さらに鋭い動きを連続してできる名古が入ったことで、プレスの圧力が増すだけでなく、ボールを奪ったあとに攻撃へ出ていける人数も増えた。1点ビハインドで迎えた後半、チャヴリッチのゴールで追いつくと、名古がボール奪取をしたあとそのまま前方へ飛び出し、クロスを上げたことが鈴木の逆転ゴールを生んだ。ランコ ポポヴィッチ監督にすれば、してやったりの逆転勝利だったことだろう。
今節も、その形は継続されるようだ。少しケガ人が増えており、万全の準備とはいかないかもしれないが、「ケガ人が出ても結果が出せるかどうか、真価が問われる」と鈴木。2週間の準備を試合にぶつけたい。
対する磐田は僅差の試合を続けているが、それがなかなか勝点3に結びついていない。前節・G大阪戦も2点のビハインドを背負ったところから、松原 后のクロスにジャーメイン 良が頭から飛び込んで1点を返すと、終盤は完全にペースを握る。しかし、相手GKの奮戦もあり1点が届かず、勝点を得ることができなかった。前々節・柏戦もセットプレーからの一発に泣き、0-1で敗れていた。2連敗となった横内 昭展監督は「強いチームというのは多分、連敗をしないチーム。このままズルズルといくわけにはいかないので、少し中断期間もありますし、しっかりと修正したいと思います」と言って中断期間に入った。4試合で9失点は川崎Fとともにリーグワーストの記録だ。前節も自陣ペナルティーエリア付近でボールを失ったところから失点しており、そうした「つまらない失点」(横内監督)を減らすことが安定した戦いにつながる。こちらも鹿島と同じようにしっかり手を打ってきたはずだ。
どちらもボールを保持したいチームではあるが、ペースの握り方はそれぞれ違う。鹿島はまず相手を押し込むところからスタートさせるだろう。それを受けて磐田がどうやって前進していくかが注目される。お互いに2週間の成果を試合で見せたい。
[ 文:田中 滋 ]

