ここ最近になって、その躍動ぶりが際立つ選手が左ウイングバックの畑 大雅だ。柏戦の先制ゴールの起点になったロングフィードのほか、持ち味のスピードを生かした縦へのドリブルや中へ切り込んでいくプレー、ゴール前へ顔を出す動きが見られる。
「畑選手は個人能力が優れていて見て分かりやすいですけど、選手一人ひとりの意識が悪い意味で監督任せになってしまっていた。監督は(勝てなかったら)『自分の責任』と言ってくれますけど、プレーしているのは自分たちなんだから自分たちの責任だろ、という言葉が(JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦・秋田戦のあとに行った選手同士のミーティングで)飛び交った。(監督任せにならず)自分たちのために必死にプレーしようということを選手たちで話し合った結果、決断することをみんな恐れなくなった」 そう話すベテランの山田 直輝は、チーム全体のマインドが変わったことで「一人ひとりがちょっとずつ変わってきている」と復調の兆しを感じている。
だが、プレーに変化が表れたのはマインドが変わったからだけではない。「日頃からトライすること、考えてきたもともとの積み上げが1つのきっかけで(線として)つながり出した」と山口監督は言う。選手一人ひとりが特長を生かした思い切りの良さをより出し、あとはより多くのゴールへとつなげられるか。そして、同じ轍を踏まないようにチームとして最後まで集中した守りをできるかがカギになる。
今節で対戦する新潟は前節、横浜FMに前半で先制点こそ許したが、後半の3得点で5試合ぶりの勝利を収めている。51分に反撃の狼煙を上げる同点ゴールを決めた鈴木 孝司は「CBがあまり良い持ち方をしていなかったので、GKに返すのは分かっていた」とわずかなスキを見逃さず短くなったリターンパスをかっさらうと、そのまま左足を振り抜いた。
その鈴木は直後の53分に谷口 海斗のゴールを絶妙なスルーパスでお膳立て。逆転に成功した新潟は82分にプロ初先発となった奥村 仁が追加点を決めている。前節で長谷川 巧と舞行龍ジェームズが脚を痛めてピッチをあとにしていることは懸念点ではあるが、Jリーグ初ゴールを決めた奥村を含めたチーム全員で今節のアウェイゲームに臨むことが重要になる。
[ 文:舞野 隼大 ]
