キーワードは“首位”である。首位浮上を目指す3位のG大阪と首位を堅持したい町田の直接対決は、その選手の顔ぶれを含めて見どころが盛りだくさんとなる。
G大阪は前々節で前年王者の神戸を2-1で下し、その勢いを持って乗り込んだアウェイの前節・鹿島戦は、劣勢の中で中谷 進之介のスーパークリアもあってかろうじて無失点で終えた。6連勝は逃したが、10戦負けなしと好調だった鹿島から手にした勝点1は少なからぬ意味を持つ。
「僕らとしては全然ネガティブな勝点1じゃないし、むしろポジティブに捉えていいと思う。そういったことはチームにしっかり言った」。キャプテンの宇佐美 貴史はこう言い切ったが、それは決して強がりではない。勝点1を積み上げたことで町田とのポイント差を『2』で維持し、今節で首位浮上を果たす可能性をつないだのだ。
中谷やGK一森 純が絶好調を示しているが、リーグ最少失点の堅守を維持できている要因は全員守備。「自分たちの一番前からCBの選手まで肝心なところはしっかり戻っている」と宇佐美は話す。ただ一方で、チーム全員が守備に回る時間が多いこともあり、攻撃に迫力を欠くことも事実である。
勝利以外に首位浮上の可能性はないだけに、必要なのは攻撃陣の奮起。3連戦目であることを踏まえると、フレッシュな選手の見極めもダニエル ポヤトス監督には求められることになる。「ブラジルでも暑い中で試合はやってきた」と自信を見せるウェルトンは、町田と前回相対した開幕戦は出場停止だった。今回は町田に脅威を与える存在になりたい。
また、チームとして神戸や鹿島など強度の高い相手には苦戦を強いられただけに、各ポジションで町田の激しさに負けない人選も必要になるはずだ。
一方、昇格1年目で前半戦を首位で折り返した町田は、後半戦最初の試合となった前節で神戸とスコアレスドローに終わっている。G大阪と同様に町田も前節は攻撃が低調で、GK谷 晃生の好守がなければ負けていてもおかしくない展開だった。
ただ、「上位対決は簡単に勝たせてくれるような試合ではないし、いろいろな課題が見つかる試合でもある」と、黒田 剛監督も決してネガティブな感想は口にしていない。
首位堅持はチーム全体のモチベーションだが、特別な気持ちを持って乗り込む2人の選手がいる。
G大阪から期限付き移籍中の谷にとっては、出場すれば対戦相手として初めてパナスタのピッチに立つことになる。そして、2022シーズンまでG大阪に在籍した昌子 源は、こちらも出場すれば町田の一員として初めて古巣と対戦することになる。
開幕戦は町田が先手をとって優位に進めながらも、後半に仙頭 啓矢が退場。数的有利を生かしてG大阪が流れを引き戻し、終盤に宇佐美がスーパーな直接FKを叩き込んでドローに持ち込んだ。
追うG大阪と追われる町田――。いかなる結末を迎えようと、間違いなく激闘になる。
[ 文:下薗 昌記 ]
