J1・2年目のシーズンを戦うホームの町田にとって、広島は昨季の雪辱を果たさなければならない相手。広島への対抗心をむき出しにする谷 晃生は言った。
「広島さんは昨季唯一シーズンダブルを許した相手。雪辱を果たして、新シーズンの良いスタートを切りたい」 今節が今季初の公式戦である町田に対して、広島は8日のFUJIFILM SUPER CUP・神戸戦(2○0)と12日のAFCチャンピオンズリーグ2ラウンド16第1戦・ナムディン(ベトナム)戦(3○0)を消化しているため、フレッシュなコンディションで臨めるホームチームのほうが一見優位に映る。それでも町田の谷 晃生は日程面の優位性を過度に意識せず、むしろ開幕戦特有の独特な雰囲気に呑まれないためにも、「自分たちから試合を動かすぐらいの気持ちで入りたい」と話している。
なお、プレシーズンの町田は、昨季最終盤に採用したオプション布陣の3バックを踏襲し、チームとしての練度を高めてきた。仮に町田が[3-4-2-1]のシステムで臨んだ場合は、広島と布陣がかみ合う“ミラーゲーム”の様相を呈するため、戦い方という意味では広島のほうに一日の長がある。それでも、1対1の局面攻防で後手に回るようでは、苦戦は必至。サイドの主導権を掌握するための攻防に向けて、町田の望月 ヘンリー海輝は「相手とのマッチアップを制することで得意な展開に持っていける」と見立てた。サイドの主導権争いは、勝敗の行方を左右する1つの焦点だろう。
さらにプレシーズンの町田は、オ セフンら前線のターゲットマンをシンプルに生かすチーム戦術一辺倒からの脱却を図ってきた。地上でボールを動かしながら相手の弱点を突く戦い方をブラッシュアップしてきたチームは、昨季一度も勝てなかった広島から勝利をつかみ取る価値を十分に自覚している。望月 ヘンリー海輝は言った。
「開幕戦で広島に勝てたら、チームが成長している証明になる。2連勝中の広島に勝ったという客観的な事実が、さらなる自信を生むと思う」 一方、ベトナムでのアウェイゲームを終えて、町田GIONスタジアムに乗り込む格好の広島は、公式戦2連勝と絶好のスタートを切った。優勝争いを演じていた昨季は最終盤に失速。神戸の2連覇に阻まれる形でリーグ制覇を逃した悔しさを晴らそうとする姿勢は、ストーブリーグの積極補強に表れている。
昨季、磐田でセンターFWとして19得点とゴールを量産したジャーメイン 良を筆頭に、左利きのボランチである田中 聡らを獲得。田中 聡は前述のナムディン戦で1ゴールをマークし、新チームにフィットしつつある証を実際の結果につなげた。「新加入選手がしっかりとフィットしている」とは町田の谷 晃生の見解だ。
昨季の上位対決を制し、“今季も強し”を他チームに植えつけるのは、町田か広島か。神戸の3連覇を阻む“本命決定戦”は、見逃せない。
[ 文:郡司 聡 ]
