公式戦7試合を5勝1分1敗で駆け抜けた5月は、C大阪にとって成長スピードが一気に加速した1カ月となった。得点は7試合で『13』と1試合平均2点に近い数値を記録。ビルドアップの安定感と、鋭いカウンター。遅攻と速攻の使い分け、そのどちらも精度は上がっている。また、シーズン序盤は課題だった守備も7試合で6失点。直近の2試合ではいずれもクリーンシートを達成するなど、徐々に堅さも備わりつつある。もっとも、スコアレスドローで終わった直近の第22節・浦和戦もそうだったが、作っているチャンスの数のわりに、ゴールの数は物足りない。ここまでチームトップの7得点をマークしているラファエル ハットンにしても、決定機の数から考えれば、もっと数字を伸ばすことができたはず。リーグ戦、JリーグYBCルヴァンカップ、天皇杯と3つの大会が待っている6月は、「ゴールを決めるための最後の正確性、シュート、クロス、ラストパスの質を上げていくこと」(アーサー パパス監督)をより意識していきたい。
対する清水は、1勝1分3敗と5月は黒星が先行したが、前節は王者・神戸を3-2で撃破。チャンスで決め切れず、0-1で敗れた前々節・鹿島戦の反省を踏まえ、「もうこれ以上惜しいゲームはいらない。とにかく勝ち切ること」と、試合前にゲキを飛ばした秋葉 忠宏監督の思いに選手たちが応える形で結果を出した。神戸戦で先制点を決めた北川 航也、その得点をアシストした乾 貴士。両者のホットラインは清水の武器であり、両翼のカピシャーバと松崎 快の突破力も鋭い。アウェイに乗り込む今節も、彼ら4人を中心に果敢にゴールに迫りたい。中でも注目は古巣戦となる乾 貴士とカピシャーバ。乾 貴士についてはC大阪の香川 真司も「アイツのプレースタイルは変わらない。自分のチームを築いている」と警戒する。かつて名コンビを築いた両者のマッチアップはこの試合の見どころであり、両チームのサポーターのみならず、Jリーグ全体としても大きな注目を集めるだろう。
浦和がFIFAクラブワールドカップ2025に出場する関係で、前倒しで行われた第22節を水曜日に戦ったC大阪は、今節が公式戦9連戦の5試合目。ここまでアーサー パパス監督は選手起用に頭を悩ませながら戦っており、喜田 陽ら出ずっぱりの選手のコンディションは気がかりだ。ただし、連戦で出場機会を得た選手たちが試合ごとに活躍するなど、連戦はC大阪にとってネガティブなことだけではない。今節も先発11人に加え、控え選手のパワーも結集し、勝利を手繰り寄せたい。清水としても近年、“鬼門”となっているアウェイのC大阪戦を乗り越え、後半戦に向けたエネルギーに変えていきたい。
[ 文:小田 尚史 ]


