混戦の明治安田J1。その交差点で行われるような試合になった。今季J1に復帰し、開幕から連勝スタートを切った清水。その後、勝ったり負けたりを繰り返しながら7勝5分8敗で今節を迎えた。
逆に開幕から6試合勝ちなしで一時は最下位に沈んだ名古屋は、ここまで6勝5分9敗。5月の6試合を3勝3分と無敗で乗り切るなど、調子が上向いている。その両者がクロスするこの試合は、互いにとって今季の行方を左右する90分となりそうだ。
しかも、名古屋が好調に転じたきっかけは5月の初戦となった第14節、国立競技場で行われた清水との前回対戦だった。迷走した第10節・G大阪戦(0●2)から復調傾向にはあったものの、その清水戦で今季初の3得点を挙げ、さらにクリーンシートで抑えたことが自信となり、その後の好成績につながっていった。
後半戦初戦の前節は、アウェイで2季連続王者の神戸に1-2で敗れて悔しい思いをしただけに、後半戦のホーム初戦ではしっかり勝点3を積み上げて、勢いを取り戻したい。
その名古屋の注目は右サイド。右ウイングバックには中山 克広、3バックの右CBには原 輝綺と清水を古巣とする2人がピッチに立つだろう。スピードが特長の27番とCBでありながら攻撃参加も得意な70番は、いまや赤鯱の大きな武器として欠かせない存在になっている。2人にはあうんの呼吸があり、また原 輝綺は天皇杯2回戦・ヴェロスクロノス都農戦、神戸戦と公式戦2戦連続ゴール中とコンディションを上げている。序盤戦ではケガもあって出番が少なかったが、清水との前回対戦から右CBに定着し、チームの守備を安定させる一因となった。
「清水は間違いなく去年よりも良いサッカーをしていると思った。どうしても僕がマッチアップする選手はキーマンになるし、ポテンシャルがあるので試合を楽しめた」と、前回対戦後に語っていた原 輝綺。もちろん今回もその右サイドでの攻防がカギになるだろう。熟成されつつある連係を生かしてしっかり抑え込み、逆にどう攻撃に出ていくのか。清水のサポーターも楽しめるバトルになるのではないだろうか。
一方で、豊田スタジアムに乗り込んでくる清水にとっても重要な一戦だ。前節・G大阪戦はチャンスこそあったものの、ゴールをこじ開けることができずにスコアレスドローで決着。名古屋との前回対戦後は調子を崩し、直近7試合で1勝と勝ち切れない試合が続いている。J2自動降格圏の18位とは勝点7差と、決して安心できる位置にいるとは言えない。
注目は乾 貴士や北川 航也といった攻撃陣。前回対戦では前半にチャンスらしいチャンスを作れなかったが、前節はチームとしてシュート15本と改善はされてきている。立ち上がりから自分たちのサッカーを展開し、先制点を奪えば前回対戦と逆の結果もあり得るだろう。シーズンダブルを食らうのはサポーターも悔しいはず。今度は名古屋を打ち負かし、再浮上するきっかけにしたいところだ。
[ 文:斎藤 孝一 ]
