前節・柏戦を迎えるまで、名古屋は直近4試合でPKによる1ゴールだけと不振にあえいでいた。その中で臨んだ一戦は、開始4分に仙頭 啓矢からのパスを受けたマテウス カストロが右サイドに展開すると、持ち味であるスプリント力を発揮してスペースに飛び出した森下 龍矢が中央へ折り返す。これをマテウス カストロが決めて先制。その後はタイトな守備で相手に得点を与えず、1-0の勝利を収めた。
ここで敗れると上位争いに食い込めないどころか、残留争いに陥りそうな状況だっただけに、大きな勝点3を手にした格好だ。ただ、さらに上を狙うためには今節も勝利が必須となる。注目したいのは、エースとしての働きが著しいマテウス カストロだ。
今季から10番を背負うブラジル国籍アタッカーは、ここまで5ゴールを記録。アシストも4本決めている。特筆すべきは、第10節・磐田戦から前節までチームとして9得点を挙げているが、そのうち8得点に直接絡んでいること。彼がいなければ攻撃が成り立たないと言っても過言ではない結果である。
マテウス カストロは、相手にとって厄介この上ない選手で、もちろん常に警戒の対象になっているが、分かっていても止められないスピードとパワーがあり、また得意のFKも射程距離が長く、ゴール前でのファウルはすなわちピンチとなる。清水としてはこのマテウス カストロの突進をいかに止めるかが勝利のカギになるだろう。
アウェイに乗り込む清水の前節は、最下位の神戸と対戦。開始8分と早い時間に先制されてしまったが、厳しい時間をしっかりと耐え、66分に同点に追いついた。決めたのは、こちらもブラジル国籍のストライカー・チアゴ サンタナ。カルリーニョス ジュニオが入れたクロスから、左足で冷静に決めた。
試合を振り出しに戻した清水だったが、後半アディショナルタイムに決勝点を奪われて万事休す。神戸に抜かれ、最下位転落となった。
ただ、清水は試合の内容自体は悪くなく、実力もあるチーム。“裏天王山”と言われた試合で敗れ、今節はそのリバウンドメンタリティーを発揮して遮二無二勝利を目指してくるだろう。チアゴ サンタナは名古屋との前回対戦でも、カルリーニョス ジュニオとのホットラインでゴールを決めている。両ブラジル国籍エースはどんなプレーを見せて自チームを勝利に導くか。ゴール前の熱い攻防に期待したい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
