アウェイに乗り込む新潟は、6月22日付で樹森 大介監督の契約解除に踏み切って、入江 徹コーチを後任の監督に昇格させるも、そこから公式戦8試合で1分7敗といまだ白星なし。降格圏を脱するどころか、成績的にはかえって下降線をたどっている。とはいえ、内容としては悪くない試合も多く、前々節・川崎F戦はシュート数で上回っての引き分け。前節は好調の鹿島を相手に接戦を演じてみせた。
徐々にスタイルを変化させつつ、ターゲットになれるFWブーダへのロングボールから押し上げるなど、新戦力の特長を生かした攻撃が機能し始めている。さらに前節は、「自分の持ち味はまだ全部表現できていない」と言いつつも、マテウス モラエスが加入後初ゴール。彼らを中心とした攻撃の練度が増してくれば、上昇気流に乗れるだろう。
一方で、埼玉スタジアム2002での浦和戦ではまだ一度も勝利したことがなく、ホームゲームを含めてもリーグ戦で最後に勝ったのは2006年と、今節は苦手な条件が重なる一戦でもある。ただそれだけに、乗り越えることができれば残留達成の大きなきっかけともなるだろう。
対する浦和にしても、状況はそれほど良くない。前節・柏戦に続き、27日に行われた天皇杯準々決勝・FC東京戦も敗戦。特にFC東京戦は、防戦一方となった柏戦から見事な立て直しを見せ、圧倒して前半を終えていただけに、そこからの逆転負けはショックの大きいものになった。
マチェイ スコルジャ監督は「まず、パニックに陥らず、ポジティブなメンタリティーを保つことが重要。ここ2試合でなぜ勝てなかったのか、失点してしまったのかをしっかりと見ながら修正しなければいけない」と姿勢を強調する。
その上で、「最近の練習のセッションを分析すると、その部分にあまり時間を割いていなかった。できていると思い、あえてやらなくてもいいだろうと思ってしまっていた」という、自陣ゴール前での守備の再確認が必要との見解を示す。後半からペースが落ちる、交代選手が活躍できない、ボール保持の安定性といった諸問題を抱えつつ、FC東京戦ではそれ以前の問題として「あまりにも簡単に決められてしまった」(マチェイ スコルジャ監督)失点により試合が崩れてしまった。何を重視するにしても手直しが必要な部分だろう。
そして指揮官は「5月に対戦したときとまったく違うチームになっている。監督も代わり、スタメンの半分が新加入選手になっており、プレーの仕方も以前と変わっている。順位表の位置を見ても、毎試合人生を懸けて決意をもってプレーする状況になっていると思う」と新潟を警戒しつつ、「相手のことを考え過ぎずに、自分たちのいまの状況でいかに反応を示すかが重要」と自らの姿勢を再び説いた。
チームの心臓であるサミュエル グスタフソンも「(FC東京戦の)後半の修正は必要だが、同時に前半の良い部分も忘れずに続けていくことが大事。柏戦からの良いリアクションが出せた前半だったし、ああいうプレーを続けていけば多くの試合に勝てると思う」とポジティブな面を強調した。
新潟は降格圏から抜け出すため、浦和は優勝戦線に食らいつくため、互いに落とせない一戦となる。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
