アウェイ・鹿島が首位の京都と同勝点の2位、ホーム・浦和がそこから8ポイント差の8位と両者の立ち位置に開きはあるが、直前までのチーム状態に関係なくきっ抗した試合になるのがこのカードの特徴でもある。スタジアムが“普段”を超越した熱気に染まることは想像に難くない。
アウェイに乗り込む鹿島は、天皇杯は浦和と同じく準々決勝で敗退したものの、リーグ戦では8月以降負けなし。前節も湘南相手に3-0の快勝を飾った。個人としても、濃野 公人が今季リーグ戦初得点をマークし、レオ セアラが得点ランキングトップに並ぶゴールを挙げるなど朗報続きだ。
また、前節は左SBで起用された小池 龍太の働きにより、夏に加入したエウベルがより輝きを増し、さらにチームが整えられそうな気配もある。鬼木 達監督としては、小池 龍太に横浜FM時代の同僚でもあるエウベルをサポートさせるとともに「彼を左に置くことで、いろいろな動きが出てくる」とチーム全体への波及効果も狙っている模様で、湘南戦からすでに効果が表れ始めている。ライバル・浦和と決着をつけることができれば、優勝に向けてさらに勢いは増すだろう。
一方の浦和は公式戦連敗中。8月下旬以降、天皇杯とルヴァンカップで相次いで敗退となり、リーグ戦では、首位との差を詰める絶好の機会だった前節・G大阪戦を0-1で落とした。唯一残されたリーグタイトルも限りなく赤色に近い黄信号が灯っている。しかし、マチェイ スコルジャ監督は「直近の結果によってより難しい状況となったが、今週の練習の初日から、選手たちはメンタル的に非常に良い反応を見せてくれている」とチームの姿勢を評価する。
オフ明け16日の練習前ミーティングでは、「鹿島戦の重要性は全員が分かっていると思う。リーグであってもカップ戦であっても、練習試合であっても関係ない相手だ」(マチェイ スコルジャ監督)とゲキを飛ばしたが、ともすれば終戦ムードに包まれかねないタイミングで、鹿島戦を迎えることは浦和にとって僥倖かもしれない。
「ここで勝てば自分たちも勢いづく」(金子 拓郎)、「ちゃんと勝って、最終戦まで望みをつなげられるようにしたい」(渡邊 凌磨)と選手たちもこの試合を契機にすべく意気込み、これまではあえて鹿島戦で特別に煽ることをあまりしてこなかった浦和も宣伝に力を入れている。総発券枚数は18日朝の時点で約5万9千枚となっており、予定販売枚数終了のアナウンスが出るのも時間の問題だ。大観衆の埼玉スタジアム2002で、浦和がラストチャンスに臨む。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
