要因はいくつか挙げられるが、現在のところ最も深刻で、最も出口が見えないのが負傷者の問題だ。誰かが戻ってきたかと思えば、ほかの誰かが離脱してしまう。そして、その総数が多過ぎる。
18日の公開練習では、前節・C大阪戦で負傷交代した伊藤 敦樹に加えて渡邊 凌磨、興梠 慎三が新たに別メニュー調整に。前節以前から離脱していた安部 裕葵、小泉 佳穂、中島 翔哉、オラ ソルバッケン、松尾 佑介に加えて、スウェーデン代表での練習中に負傷したサミュエル グスタフソンも含めると合計9名が負傷者リストに名を連ねている状態だ。
さらには、練習中に違和感を覚えたと思われる大畑 歩夢が途中で切り上げる一幕も。いよいよ人数が足らなくなってきた。もちろん、避けようのないアクシデント的なものも含まれているとはいえ、昨季ほどの過密日程を戦っているわけではない浦和にとって、これだけ負傷者が続出するのは異常事態だ。トレーニングの内容と量を見直す必要もあるだろう。
ただ、どんな状態でも試合はやってくる。それに朗報もなくはない。18日より関根 貴大が全体合流となったことは数少ないプラス要素で、サミュエル グスタフソンも「19日からチーム練習に復帰する」(広報担当)とアナウンスがあり、思いのほか軽傷だった。選択肢は限られるが、なんとか格好がつくメンバーは送り出せるだろう。
ピッチ内に目を向けると、C大阪戦では以前よりもクロスを入れる回数が増えていた。これまではあまり推奨されず、よほどの決定機でない限りボールを下げてやり直す場面が多かったが、チアゴ サンタナやブライアン リンセンら強ヘッダーを生かすために試行回数を増やすことは悪くない考えだ。
ただ一方で、試行回数が少なかったこともあってか彼らに届かず、相手DFに引っかかってしまうクロスも多かった。それだけに、アシストを挙げた武田 英寿の左足がひときわ光った。今季は終盤で投入されることが多く、満足なプレー時間を得られていないが、セットプレーのキッカーを含めて“飛び道具”となれる選手だ。伊藤とサミュエル グスタフソンが間に合うか不透明な今節は、武田にとってチャンスでもある。左足のキックだけでなく、総合力を見せつけてレギュラー争いに割って入りたい。
一方、埼玉スタジアム2002に乗り込む鹿島は勢いを継続している。浦和と同じく、序盤はなかなか勝星が先行しなかったが、明治安田J1第10節・G大阪戦以降は9戦負けなし。前節・新潟戦では久しぶりに引き分けたが、先制されてすぐに追いついてみせた。ただ、「ほとんどの面で上回られた」(佐野 海舟)、「唯一良かったのは引き分けに持ち込んだこと」(ランコ ポポヴィッチ監督)と納得いかない様子。引き締め直して埼玉に乗り込んでくるだろう。
対照的な状態にはあるが、互いの状況に関係なくヒートアップするのが浦和×鹿島でもある。サポーターの声量対決も含めて、熱戦となることは間違いない。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
