ただ、相手は浦和。AFCチャンピオンズリーグでノックアウトステージに出場すると、JDTを5-0、パトゥムユナイテッドを4-0で撃破した。さらに準決勝では韓国の全北現代と対戦し、116分に勝ち越し点を奪われる苦しい展開に追い込まれたが、120分にキャスパー ユンカーが値千金のゴールを決めて同点に。PK戦を3-1で勝ち抜き、決勝進出を決めた。
シーズン途中までは引き分けが多かったが、6月以降の公式戦で11勝(PK勝ちを含む)3分2敗と圧倒的な結果を残している。結果が出ることでチームとしてのまとまりも上がっているだけに、鹿島としては難しい対戦相手となるだろう。
今週に入り、鹿島には鈴木 隆二、坪井 健太郎両コーチが合流した。練習から2人の色が出たトレーニングに取り組んでおり、特にフットサルの理論をサッカーに融合しようとする鈴木コーチのメニューには、選手たちからも「新鮮で楽しかった」(安西 幸輝)という声が聞かれた。フットサル特有の3人目の動きを多用することで流動的なポジションチェンジが可能となるだけに、これを続けていった先にどういった進化を遂げるのか注目される。
ただ、いきなり目に見えた変化を求めるのは難しい。継続して取り組むことで初めて形となる。岩政監督のサッカーもまだ4試合目。相手の特徴を踏まえた並びや陣形、プレスの掛け方もハマる回数や精度は上がっているが、まだ完璧とは言い難い。
そうした状況でもなんとかして勝ちたいのがこの試合だ。それは鹿島だけでなく浦和も同じだろう。
「僕個人としてもチーム全体としても、浦和には負けてはいけないという気持ちがある。それはサポーター同士も、浦和にだけは絶対に負けたくないという気持ちがあると思うので、前回は引き分けでしたけど、今回はホームでしっかり叩けるように頑張りたいです」 そういって表情を引き締めたのは安西。彼の言葉どおり、この試合に出る誰もが同じ気持ちでいるはずだ。
ここ2年、両者は1勝1敗という対戦結果が続いており、今季の埼玉スタジアム2002での対戦は鹿島が前半早々にアルトゥール カイキのゴールで先制するも、前半の終わり際に浦和がアレクサンダー ショルツのゴールで追いつき、そのまま1-1で終えている。意地と意地のぶつかり合いはどんな結末を用意しているだろうか。
[ 文:田中 滋 ]

