神戸は前節、東京Vに4-0で大勝した。欠場した井手口 陽介に代わって右インサイドハーフで先発した鍬先 祐弥は「最近はSBやアンカーが多く、練習でもほぼやっていなくてぶっつけ本番でしたけど、試合が始まるまでに整理できて、問題なくプレーできた」と振り返る。セカンドボールの回収や周囲との連係に奮闘し、攻守のつなぎ目として大きく貢献した。
その鍬先 祐弥のように、前節は各選手の躍動感がみなぎる内容だった。大迫 勇也はリーグ戦では5月の明治安田J1第13節・横浜FM戦以来となるゴールを挙げ、宮代 大聖は自身2シーズン連続となる2ケタ得点を達成。同じく得点を挙げたエリキや、潤滑役として機能する井出 遥也ら前線の活気は著しい。
さらに、負傷離脱から戻った永戸 勝也は先制点を呼び込むサイドの崩しを主導し、途中出場の飯野 七聖は決定機を創出した。後半はカウンターを浴びる場面も多かったが、「ピンチは何本かあるもの。そこで止めて自分たちのペースに、という流れを作れた」とGK前川 黛也は自身のビッグセーブを含めて無失点締めに貢献。先発・サブを問わず、戦術の体現と、各選手の持ち味の発揮が確かなチーム力へと昇華されている。
また、この勝利で2位に順位を上げ、首位・鹿島を追う一番手に名乗り出た。ただ、首位との勝点差は『4』と離れており、3位・京都、4位・柏との勝点差はわずかに『1』だ。「混戦の状態で勝ち続けないと優勝は見えてこない。自分が点を取り続けて、チームを勝たせられるように頑張っていきたい」と意気込むのは宮代 大聖。吉田 孝行監督の旗印でもある“一戦必勝”のもと、前回対戦(第18節)で敗れた清水からの勝利に全力を注ぐことになる。
対する清水の前節は、浦和とスコアレスドロー。立ち上がりから前線のアグレッシブな守備をはじめ、ボールを奪ったあとの素早い縦パスやサイドチェンジを駆使し、浦和に圧力を与えた。徐々に攻め込まれるシーンが増える展開となったが、GK梅田 透吾の好守やバックラインの奮闘を軸に、我慢の時間帯を無失点でしのぎ、最後まで耐えている。
3連勝こそ逃したものの、連続負けなしを『5』に伸ばした。その間に喫した失点は第28節・鹿島戦の1点のみと、ハードワークを前提とした組織的な守備が成果に直結。さらに、今夏に湘南から期限付き移籍で加入し、3バックの中央を務めるキム ミンテは、出場した4試合すべてで無失点とチームに確かな安定感をもたらしている。
その堅守ぶりは神戸も同様だ。JリーグYBCルヴァンカップやAFCチャンピオンズリーグエリートの戦いも含めて公式戦4戦連続無失点を記録し、リーグ戦は清水と同じく3戦連続クリーンシートと高い守備力を披露している。
直近の公式戦2試合で大迫 勇也、宮代 大聖、エリキの3人だけで計7得点を挙げている神戸に対し、清水はスルーパス総数でリーグトップの乾 貴士ら、フィニッシュワークに“違い”を作る選手は豊富だ。どちらが自慢の“盾”を打ち破るのか、楽しみなマッチアップとなる。
[ 文:小野 慶太 ]
