湘南は、ここ16試合勝利がない。そして前回勝った試合がまさしく東京V戦、5月に味の素スタジアムで行われた第16節でのことだ(2〇0)。これほど長く勝星から遠ざかるまでには、いくつもの分岐点があった。その1つが、まさしく前節・横浜FC戦だったに違いない。
順位が隣り合う間柄であることからも、是が非でも勝点3が求められた試合。にもかかわらず、またしても先に失点を喫した。後半は石橋 瀬凪や二田 理央らを投入して攻勢に出たが、最後までゴールを割ることができず、これで6連敗に。残りの試合数を考えれば、窮地と言っても過言ではないだろう。
対する東京Vは、現時点で降格圏こそまぬがれているが、18位・横浜FCとは勝点差5と、安全圏とも言い難い。その原因の1つには、今季“勝ち続けること”がなかなかできていない点が挙げられる。戦績をたどると、連勝を飾ったのは4月末の一度のみ。直近では第30節で岡山に4-2で勝利したかと思えば、前々節で神戸に0-4の大敗を喫するなど、山あり谷ありの戦いを余儀なくされている。そして前節・浦和戦もゴールまでが遠く、スコアレスの痛み分けとなった。
吹っ切れない両者が共通課題とするのが、得点力不足だ。東京Vの20得点という数値はリーグワーストであり、対する湘南も28得点とリーグワースト3位タイ。ましてや湘南は失点数もリーグワーストの『56』とあって、得失点差は上位のチームと大きく開いている。
だからこそ湘南は先手をとるべく、期待のかかるFW陣にスポットを当てたい。中でも期待のかかる選手は二田 理央。夏に育成型期限付き移籍で加入した22歳は、少しずつ出場時間を伸ばすと、第28節・G大阪戦そして直後のJリーグYBCルヴァンカッププライムラウンド準々決勝第1戦・広島戦で得点をマークした。直近はゴールから遠のいているが、「自分の役割としては前線のアクションの回数を増やして、もっとチームが簡単に前進できるようにする」とのタスクを掲げ、チームを救うべく必死にもがいている。横浜FC戦後は「もっともっと一人ひとりが今日みたいな試合で球際は勝つとか、そういう気持ち的な部分だったりとかも変えていかないといけない」とも話し、その課題を率先して払しょくするプレーが期待される。
対する東京Vは、染野 唯月の得点が期待される。岡山戦ではCKから先制点をマークすると、後半にも右サイドの突破から福田 湧矢の得点をアシスト。今季3ゴールは、8月に海外へ移籍した綱島 悠斗と並んでチーム最多タイだが、昨季6得点を記録していることからも、まだまだ残り試合で記録を伸ばす可能性は大いにあるだろう。
そもそも今季の東京Vは、クリーンシートで終えた試合が『14』と、柏と並んでトップタイにつけている。すなわち守備には随一の安定感が備わっており、得点を奪うことができれば勝点奪取の期待値は大いに上がる。対する湘南がいかにそれを破るか、ピッチから目の離せない試合が始まる。
[ 文:河合 萌花 ]
