前節で福岡に敗れたG大阪にとっては、今季限りでの退任が発表されているダニエル ポヤトス監督と戦う最後のリーグ戦であり、クラブにとっての節目の一戦だ。
「私が就任したとき、ガンバ自体が難しいチーム状態にいた。タイトル(獲得)という大きなものは成し遂げられなかったが、この3年間でスタイルの構築をすることができたし、選手の成長を促すことができた」とスペイン国籍の指揮官は、自身が率いた3年間をこう振り返る。
福岡戦では苦手とする3バックを攻略し切れず、0-1で敗戦。東京Vも3バックを採用しているため、いかにゴールを打ち破れるかが課題になる。
集大成となるはずだった今季はケガ人など離脱者の多さにも泣かされた中、東京V戦でも前線の構築には頭を悩ませることになりそうだ。終盤戦での巻き返しに貢献したイッサム ジェバリがチュニジア代表の試合において負傷。福岡戦は宇佐美 貴史とともにメンバー外となった。さらにデニス ヒュメットも今節は出場停止。生粋のストライカータイプである南野 遥海に期待がかかるほか、福岡戦の後半に用いたゼロトップ的な布陣の採用もありそうだ。
また、ダニエル ポヤトス監督が口にした「選手の成長」という意味で注目されるのは、名和田 我空のパフォーマンスである。11月27日に行われたAFCチャンピオンズリーグ2グループステージ第5節・東方戦で、待望のプロ初ゴールを記録。福岡戦でも後半途中からピッチに立ったものの、国内の公式戦ではまだノーゴール。「ここ2試合の公式戦は出場チャンスをつかんでいるので、次でチャンスが回ってきたら、先制点や勝ち越し点など、価値ある1点を取りたい」と19歳の若武者は東京V戦でのゴールに燃えている。
一方の東京Vは2シーズン連続でのJ1残留を決めたが、直近の3試合は1分2敗と勝ちなし。前節・鹿島戦は首位チームを手こずらせる粘り強い戦いを見せながらも0-1で敗れた。「攻守において、いまの力を出せた」と城福 浩監督は語ったが、リーグワーストの得点数が物語るように、決め切る部分での課題が結果に表れた格好となった。
前回対戦の第4節・G大阪戦で大ケガを負った山田 剛綺が前節で約9カ月ぶりに戦線に復帰したことは好材料。また、古巣対決でモチベーション高く挑んでくるであろう福田 湧矢や川﨑 修平らに出場機会が訪れるかどうかにも注目したい。
東京Vの食野 壮磨と、G大阪の食野 亮太郎による兄弟対決も注目ポイントの1つ。前回対戦では実現しなかった兄弟対決が見られれば、スタジアムはより盛り上がるに違いない。
また、G大阪は今季、クラブ史上初となる年間入場者数50万人突破を達成しており、東京V戦で33,492人以上の観客が集えば、クラブ史上初の1試合平均3万人に到達し、過去に浦和、新潟、FC東京しか達成していない大台に到達する。現地に足を運んだサポーターは、歴史的な瞬間を共有することになるはずだ。
[ 文:下薗 昌記 ]
