ホーム・PEACE STADIUM Connected by SoftBankに迎えるは広島。昨季の明治安田J1で4位に入った強豪で、東西に分かれて開催されるJ1百年構想リーグにおいて、WESTグループ屈指の実力を持つクラブであることは間違いない。
その広島はバルトシュ ガウル氏を新指揮官に据え、新たな時代を築こうとしている。バルトシュ ガウル新監督はドイツを中心に指導者としてのキャリアを積み、特に育成年代で多くの実績を重ねてきた。
移籍市場ではやや控えめな動きとなったが、既存戦力に10番を背負う鈴木 章斗や2年ぶりに帰還した松本 泰志らを加えてピンポイントで補強。新チームに戦術を植えつけるべく、石垣島で行われた1次キャンプでは守備、宮崎で行われた2次キャンプでは攻撃とそれぞれ明確に重点を置いて取り組み、選手たちは確かな手ごたえを得ている。新監督と充実したスカッドがどのような化学反応を見せるのか。
一方の長崎は、昨季途中に監督へ就任してJ1昇格に導いた高木 琢也監督が今季も指揮を執る。久しぶりのトップリーグで躍進するべく積極的な補強に動いた。チアゴ サンタナや岩崎 悠人、長谷川 元希、進藤 亮佑、波多野 豪とJ1での実績を持つ面々を加え、戦力は着実にアップ。沖縄キャンプでは多くのトレーニングマッチを実施し、実戦を通して攻守両面での新たな強みの構築と戦術の浸透を図った。J屈指のスピードを持つ新加入のノーマン キャンベルも面白い存在となりそう。スタメンとベンチを合わせ、どのような20人がメンバーに名を連ねるのかに注目したい。
今回の試合は『PEACE MATCH』として開催される。ともに被爆地である長崎対広島のピースマッチは8年ぶりで、この間に両クラブとも『ピース』の冠をつけた日本屈指のスタジアムを構えるようになった。
高木 琢也監督は「クラブとしてはやっぱり『平和』という2文字で表せるものを発信しなくてはいけない。その平和があるからフットボールができるんだよ、ということにつながっていくと思う。前回(2018年に)広島と対戦して8月にアウェイで戦ったんですけれども、そのときの光景はいまでも本当に忘れられないですし、それがこのピースタでできるということの喜びは僕自身、個人的にすごく持っている」とこの試合の意義を語る。
百年構想リーグは通常のリーグ戦より短期間で行われる。昇降格はないものの、一試合一試合の結果が順位に与える影響は大きく、どちらもスタートダッシュを狙っているはずだ。90分間で勝利を手にするのは、監督をそのままに多くの新戦力を加えた長崎か、それとも選手の変化は限られたものの監督が変更となった広島か。はたまた、この大会ならではのPK戦による決着が早速見られるだろうか。
[ 文:椎葉 洋平 ]
