水戸は前節、アウェイで浦和と対戦し、0-2の敗戦。ただ、「良い時間帯もあったし、良い内容も作り出せた」と樹森 大介監督が振り返ったように、特に前半はペースを握る展開に持ち込めた。しかし、その時間帯にチャンスを作りながらも決め切ることができず、41分に一瞬のスキを突かれて失点。苦しい展開に陥ってしまった。そして後半に入ると、リードしたことによって守備組織を整えながらカウンターを仕掛ける戦いを徹底してきた浦和からゴールを奪えず、終了間際に2点目を献上して敗れることとなった。
「自分たちの時間ではないときに浦和は体を張って耐えたのに対して、自分たちは簡単に失点してしまった」 大崎 航詩がそう振り返るように、攻守におけるゴール前の質や精度の差が結果となって表れたと言える。
だからこそ、今節に向けて樹森 大介監督は「5試合が終わって、勝点を拾える試合があった中、『やれているんじゃないか』と感じているかもしれないけど、『それは違う』」と選手たちに伝え、「自分たちは常に勝点を取りにいかないといけないし、勝たないと価値を証明できない」と、より一層勝利にこだわる姿勢を求めた。“良い内容”では勝つことはできない。相手よりも多くゴールを奪い、相手よりも失点を少なくする。それがチームとして次のステップに進むためにやるべきことだ。それを全員で確認して、今節に向けての準備を行ってきた。
今節で特に期待がかかるのは、エースの一撃。渡邉 新太は昨季チーム最多の13得点を挙げ、水戸のJ1昇格に大きく貢献した。今季は開幕戦こそ欠場したものの、その後4試合連続で先発出場している中、まだゴールを決めることができていない。前節の11分には決定的なミドルシュートを放ったが、元日本代表GK西川 周作の好セーブに阻まれてしまった。ただ、「常にゴールのにおいはしている」と指揮官が言うように、着実にゴールに迫る回数は増えている。「個人的には10番(渡邉)が1点を取ったら変わるんじゃないかなと思っている」と大崎 航詩も言う。初の90分勝利へ、エースの覚醒に期待したい。
FC東京は前節、横浜FMに3-0の快勝を収めた。今節はその勢いに乗って、アウェイに乗り込んでくる。今季のチームの強みは圧倒的な走力で、1試合平均スプリント回数はリーグ2位の166回。中でも、長倉 幹樹は総スプリント回数で1位に立ち、2位とは30回以上の大差をつけている。彼の豊富な活動量を生かした流動的な攻撃に注目したい。前線の動きに呼応するように繰り出すサイドアタックなど、躍動感あふれるサッカーで水戸の守備組織を崩しにいく。
アグレッシブな守備とスピーディーな攻撃を強みとする両チームの対戦。勝負どころで上回って、勝利を手にするのは果たしてどちらのチームか。
[ 文:佐藤 拓也 ]