サウジアラビアのジッダで開催されたACLEファイナルズの激闘が、いまなお記憶に鮮明な神戸。準々決勝はカタール王者のアル・サッドに先行される難しい試合だったが、二度のビハインドをはね返し、120分を戦い抜いた末にPK戦に突入。5人全員が成功させ、ベスト4の扉を開いた。多くの歓喜をもたらしたが、続く前回王者のアル・アハリ・サウジ(サウジアラビア)戦は、相手チームの本拠地で戦うという“完全アウェイ”の一戦。武藤 嘉紀のゴールで先行したものの、後半の2失点で逆転負け。アジア制覇という大望はかなわなかった。
その遠征を終えて最初に迎えるのが今節だ。誰もがアジアの戦いに懸けていただけに、敗退のショックはたやすく癒えるものではないだろう。ただ、神戸の戦いが終わることはない。常に目の前の試合と全力で向き合った結果、多くの栄光や感動をつかみ取ってきた。先般、ACLEの出場枠の改定が発表されたが、神戸が目指すのは本戦への出場権を獲得できるJ1百年構想リーグの制覇になるだろう。何より、神戸はタイトルを渇望しているクラブであり、『J1百年構想リーグ王者』という称号も譲れない。今節は本拠地・ノエスタでの一戦でもある。決して崩すことのないファイティングポーズをサポーターに見せつける格好の舞台としたい。
一方、アウェイに乗り込むC大阪は前節、広島に1-2で90分負けを喫した。それ以前は、G大阪に1-0、京都に3-0と2戦連続の90分勝利、さらに連続クリーンシートを飾るなど、上昇気流をつかみかけていただけに残念な敗戦だった。神戸よりも1試合消化が多い中、その勝点差は『8』と開いている。
ただ、ボール回しでリズムをつかんだときの攻撃には機能性があり、ここ3戦で1トップに起用されているチアゴ アンドラーデは3連発中と乗っている。チームとしての積み上げなどポジティブな材料も多く見られており、今節は難しいアウェイ戦となるが、上位追走のためにも、より多くの勝点を積み上げる試合としたい。
今季の神戸とC大阪は3月22日の第8節で対戦し、PK戦の末にC大阪が勝点2を手にした。試合を振り返ると、前線に本間 至恩と柴山 昌也を並べるゼロトップのような布陣を採用したC大阪に神戸が苦しめられる展開。12分に柴山 昌也のCKを井上 黎生人が決めたC大阪が優勢に試合を運んだが、後半は神戸が流れを引き戻す。67分に日髙 光揮が豪快なシュートを叩き込んで同点とし、90分のゲームはそのまま1-1で終えた。関西勢同士の譲れないマッチアップにふさわしい激闘を見せており、今節もアグレッシブな両チームのぶつかり合いが、両サポーターを沸かせることは確実だ。
[ 文:小野 慶太 ]
