神戸は前節、C大阪と同様に逆転での優勝を目指す広島と対戦。主導権を握られて前半だけで2失点を喫し、後半は持ち直したものの、最後まで得点を奪うことはできずに5試合ぶりの敗戦を喫した。
その試合は後半頭からシステム変更することで劣勢の展開を挽回させている。吉田 孝行監督は「スライドがうまくできていなかったので、後ろを3枚にしてどんどん相手のシャドーに対して出ていくように変化をさせた。そこはうまくいった」と説明したが、「自分たちはそういうサッカーをしてきたわけではない。スライドで今までやってきた。そこは反省してもっとできるようにしないといけない」と、相手に合わさざるを得なかった展開に唇を噛んだ。
神戸は元来、アグレッシブな姿勢を打ち出し、自分たちのやりたいことの表現にこだわり、相手を制圧することで試合そのものを制してきた。ただ、さまざまな要因が重なり、前への勢いや圧力を発揮するシーンが薄らいできてしまっているのが実際のところ。それをいかに取り戻していけるかは初のリーグ優勝を目指す中で、極めて大切なことになってくる。
今節で対戦するC大阪もプレスや組織された守備に定評がある。吉田監督は「前に進まないと怖さがまったくない。またイチからビルドアップして、では相手も『いけるぞ』となる。そうはならないようにしたい」と引き締める。攻撃はボランチが落ちながら組み立ててくるが、佐々木 大樹は「自分たちのやりたいことをやることがまず先にあるが、それぞれがいろいろな役割をこなしつつ、自分たちのストロングを出して相手のストロングを封じたい」と、主導権を掌握する意気込みを口にしている。
一方、神戸と勝点7差につけるC大阪は、勝てば肉薄できるが、敗れるとその差は大きく開いてしまうだけに、なんとしても勝利が欲しい一戦となるだろう。
鹿島との上位対決だった前節は0-1で敗戦。ビルドアップのスキを突かれて失点し、相手に退場者が出る優位性が生まれたものの、最後まで得点を奪うことはできず。連勝は『3』でストップし、5試合ぶりの黒星となった。良い形で連勝を飾りながら、上昇気流をつかみ切れない印象のある今季。逆転優勝へのラストスパートを切りたいところだ。
6月10日の前回対戦は、がっぷり四つに組み合うスペクタクル性の高い90分だった。1-1で迎えた最終盤、神戸のミスを逃さなかったC大阪が決勝ゴールを挙げている。ただ、その直前は神戸が圧倒的に攻め込み、いつ勝ち越しゴールを奪うかという状況まで迫っていた。あのとき奪えなかった決勝ゴールを求め、深紅のイレブンはホームの芝生に立つことになる。
[ 文:小野 慶太 ]
