両チームの置かれた状況、目標は対照的だ。7月のリーグ戦を3勝2分で終えたC大阪は、今節の結果次第では2位まで上がる可能性がある。シーズン前から目標にしてきた3位以内へあと少しのところまで来た。首位の横浜FMとは残り11試合で勝点10差がついており、ひっくり返すことは容易ではないが、現場で戦う選手たちは「僕らはまだまだ優勝も狙っている」(松田 陸)、「残り試合、優勝に向けて1つも落とせない」(上門 知樹)と話すなど、最後まであきらめる様子はなく、チームの士気は高い。一方の神戸は、吉田 孝行新監督が就任後、明治安田J1第19節・鳥栖戦から3連勝を飾ったが、その後は1分1敗と勝点を伸ばせず、再び降格圏に落ちてしまった。シーズン終盤へ向け、リーグ戦での目標はJ1残留一択になる。
この夏の補強策も対照的だった。アンドレス イニエスタ、大迫 勇也を筆頭に、ビッグネームがズラリと並ぶ神戸は、元来J1屈指のタレント軍団でもあるが、そこへムゴシャ、飯野 七聖、小林 祐希、マテウス トゥーレルと複数の新戦力が加わった。ここからどう彼らを組み込み、機能させていくか。吉田監督の選手起用、采配が注目される。もっとも、時間的な猶予はそれほど多く残されてはおらず、いち早く最適解を見いだし、チームを固めていきたいところ。アンドレス イニエスタも一時帰国していたスペインから戻り、負傷者を除きフルメンバーがそろう今節を、そのきっかけにしたい思いは強いだろう。
一方のC大阪は、かつてC大阪U-23でもプレーしたチャウワットを期限付き移籍で獲得したのみ。既存戦力で一体感を高めつつ、シーズンを戦い抜く方針を採った。今節に向けても、ベンチメンバーも含めた18人全員の組織力で相手を上回りたい。ルヴァンカップ準々決勝第1戦・川崎F戦の前に新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けた小菊 昭雄監督は今節もベンチ入りできないが、代わって指揮を執る高橋 大輔コーチを中心に、ここまで積み上げてきたサッカーを披露することが勝利へのカギとなる。
近年、両チームの一戦は僅差での決着が多く、最後の最後まで目が離せないきっ抗した展開となる傾向にある。今節に関しても、勝敗を分ける部分はセットプレーを含めた細かなところになる可能性も高い。今節までの準備期間は短く、練習の割合としてはコンディション調整に比重を置かざるを得ないが、互いに欲しいのは勝点3だけ。少しでも勝利の確率を高めて、今節に臨みたい。『ヤンマー #Football is our engineサポーティングマッチ』として開催される今節。多くの来場者が見込まれているだけに、両チームによる白熱した攻防に期待したい。
[ 文:小田 尚史 ]


