ただ、C大阪から勝点3を挙げるのは簡単なことではない。関西でしのぎを削り合う負けられない相手であり、昨季の戦績に限定して振り返ってもそれは一目瞭然だ。昨季の明治安田J1第14節では、C大阪が先制したものの後半アディショナルタイムのラストプレーで神戸がゴールを決めて起死回生の引き分け。その反対に第20節では神戸が先制点を挙げたが、89分にC大阪が追いついている。いずれの試合も一進一退の攻防を演じた末に劇的なドローで終了しており、今節もハードワークがぶつかり合う激しい試合が予想される。
神戸はここ2試合、契約解除となった三浦 淳寛監督からバトンを引き継いだリュイス プラナグマ氏が暫定的に監督を務めたが、前々節・京都戦、前節・FC東京戦をいずれも1-3で落とし、開幕からの未勝利が『9』に伸びた。負の流れを断ち切りたい中で、8日に新たな指揮官としてロティーナ氏が就任することを発表。同氏は母国スペインで数々の実績を残したあと、東京V、C大阪、清水の監督を歴任した知将として知られる。整備された守備組織、洗練されたポジショナルプレーに定評があり、C大阪を率いた2019年はJ1で5位、2020年は4位と好成績を叩き出した。
神戸での初陣がいきなり古巣戦という劇的展開を迎えるロティーナ新監督。「サッカーの世界では起きること」としつつ、「セレッソは自分たちも2年間いて素晴らしい経験ができた。チームともファンとも素晴らしい関係を築けたので、特別な試合になる気持ちはある。ただ同時に自分たちにとって重要な試合になるのでしっかりと準備したい」と冷静にマッチアップを見据えた。
一方、アウェイに乗り込むC大阪は、ここまで2勝3分2敗と7試合の消化ながら7位につける善戦を見せている。前々節は川崎Fのホーム無敗記録をストップする4発快勝で存在感を見せるなど、昨季途中からチームを率いる小菊 昭雄監督の下、地に足をつけた着実なサッカーを展開中だ。ただ、その勢いを継続させたかった前節・柏戦では相手の得意とするカウンターで失点を喫し、そのまま0-1で敗れてしまった。まだ序盤戦といえども上位勢の尻尾を着実につかんでいくためにも、足踏みは前節だけで終わらせたい。
かつてC大阪でプレーした山口 蛍と扇原 貴宏が2人そろって古巣戦を迎えるなど、見どころ多彩な対戦。春めく暖かい気候が予想される中で、真夏を先取りする熱量満載の歓喜を爆発させるのは果たしてどちらか。両者の意地とプライドを懸けた90分から目が離せない。
[ 文:小野 慶太 ]
