最も顕著に表面化しているのは直近4試合で大量14失点している守備の崩壊だ。しかも、その4試合で相手チームは多くの決定機を逸しており、限りなく少なく見積もった数字が『14』という惨状である。また、守備に回る時間が長くなり必然的に攻撃の手数が減るだけでなく、体力も著しく削られることで後半にガス欠。チームメート同士が鼓舞し合って気持ちを振り絞るものの、相手との差はみるみる開いていくばかりだ。
それらの状況を改善するためには、まず自分たちのスタイルであるポゼッションサッカーを取り戻す必要がある。ボールを保持する時間を長くし、主導権を握るとともに体力を温存しつつ、勝負どころの好機で力を注ぐ。これが苦境脱出への第一歩となる。
しかし、対戦相手である栃木は愛媛の目論見どおりの展開に簡単にはさせてくれないはず。ポゼッション型の愛媛に対し、栃木は非ポゼッション型のチーム。相手にボールを保持させつつ、高い位置からの強度の高い守備を繰り返すことで自陣ゴールから遠ざける堅守を誇るが、栃木からすれば高い位置でボールを奪うシチュエーションを作れるポゼッション型のチームはまさに与し易しと言える。前節では同様のスタイルを持つ琉球から大量4得点を奪って快勝。チームバランスを崩して自信を失っている愛媛が相手となれば、その勢いが俄然増してくることが容易に想像できる。
状況を考えれば栃木優位は動かない。愛媛が予想を覆すには、勇気ある攻撃と集中力を欠かさぬ守備。そして、多少なりとも運を味方につけることが必要だろう。
[ 文:松本 隆志 ]

