クラブ新記録を更新して9連勝を達成した絶好調期のあと、9戦未勝利という長いトンネルに入り、なかなか抜け出せないでいた北九州は前節の金沢戦を4-1でモノにして10試合ぶりの勝利。何か大きく変えたわけではない。攻守でアグレッシブさを出す、という当初からの姿勢を貫徹しながら、細部での質と精度の向上を意識し続けた成果が出た形だ。しかし、それまでとは異なり打ち合いに出てきた金沢が相手という要因が大きい中で、久しぶりにハイプレスからのショートカウンターという武器が炸裂、大量得点での勝利につながったという側面もある。ただ、相手が変われば苦しい戦いが続くだろうとの見方をする小林 伸二監督は金沢戦後のロッカールームで選手に「かなり厳しく言いました」と活を入れた様子。長いトンネルで学んだ真の成果は、今節からの戦いにこそ表れるのだ、と気持ちは引き締まっている。
一方の大宮は7戦未勝利と苦しんでいる最中。10月に入って6人の負傷が相次いでリリースされる緊急事態に、急きょ期限付き移籍などによる補強を敢行したが、前節の琉球戦を0-3で落とした。明治安田J2第28節・松本戦、第29節・長崎戦で勝点1を積み上げて「もう一歩のところまで来ていた」と高木 琢也監督も手ごたえをつかんでいたが、2試合連続ドローのあとに生まれた勝利への強い意欲が裏目に出たのか攻守のバランスを崩し、完敗を喫することになった。FC東京から期限付き移籍加入の山田 将之が2試合連続先発、同じく名古屋から期限付き移籍で加入した青木 亮太も琉球戦の後半45分をプレーするなど、実戦起用による補強選手の“ならし運転”も進んでおり、チーム内のバランスは安定化の方向へ進むはずで、今節でのトンネル脱出の可能性は十分にある。
[ 文:島田 徹 ]


