新潟は2連敗中。ケガやトラブルが続き主力選手の離脱に悩まされながらも最善を尽くしてきたが、2位・福岡との勝点差が『17』に拡大。5試合を残してJ1昇格の可能性がなくなった。
ただ、アルベルト監督の来季続投は決定しており、指揮官が標ぼうする「ボールを愛し、ボールとともに試合を支配するサッカー」を成熟させていくというベクトルは変わらず突き進む。シーズン当初から変わらず、目の前の一試合一試合で勝つことだけを考えて臨む。
ここ2試合は主導権を握る時間帯を多く作りながらも決定機を仕留め切れず、リードされてから守備を固められて苦しむ「今季を象徴する展開」(アルベルト監督)となった。
ライン間で前を向いて起点となれる高木 善朗が状況打開のキーマンとなり得るが、限られた選手で戦わざるを得ないチーム事情により、ここ2試合はボランチでプレーしている。今節、本職の島田 譲が復帰することにより、どのような布陣で臨むか注目だ。
アウェイの栃木は2連勝中。新潟から期限付き移籍中の柳 育崇は契約上出場できないが、昨季までプレーした新潟で圧倒的な人気を誇る矢野 貴章の帰還は、サポーターにとっても楽しみの1つだろう。矢野は2試合連続で途中出場からゴールを決めるなど絶好調だ。前々節・岡山戦の劇的決勝弾は切り返しで相手をかわしてからの左足。前節・山口戦もGKとの1対1を制して決めるなど、うまさと冷静さが光るゴールで勝利に花を添えた。古巣対戦に向けて調子を上げている29番に、警戒が必要だ。
また矢野に限らず、栃木は全員がハードワークできる集団。得点につなげているカウンターやスキを逃さないクイックリスタートは、新潟が今季多くの失点を喫している形でもあり、切り替えでどちらが集中を切らさず上回れるかも勝負の分かれ目になるだろう。
ボールを保持して攻撃的サッカーを貫く新潟と、チーム一丸で堅守速攻を体現する栃木のバトル。好対照のスタイルがぶつかり合う戦いに注目だ。
[ 文:野本 桂子 ]

