J2残留争いの渦中でもがく21位・松本が、7戦勝ちなしの8位・琉球を迎える。停滞感に包まれた両チームが対峙する一戦。置かれた状況こそ違えど、互いにこの試合を浮上の足がかりにしたいのは同じだ。Jリーグでの戦績は、琉球が3戦3勝と圧倒的な強さを示しているこのカード。今回は松本が文脈に逆らって窮鼠猫を噛むかどうか――が焦点となるだろう。
松本は苦境に立たされている。直近2試合はいずれも序盤に失点し、なす術なく2連敗。名波 浩監督は先制点を奪って優位に立つプランを最優先とするものの、攻撃が形をなす前にあっさりゴールを許して覇気を失っている。
残留に向け、これ以上の足踏みは決して許されない。直近2試合と同じような展開に持ち込まれれば、さらなる負のスパイラルに足を踏み入れることは必定で、機先を制すためにもディフェンスのルーズさを排して臨む必要がある。前節の岡山戦ではむざむざと3ゴールを献上しているだけに、若い最終ラインだけでなく、チーム全体が奪いどころを定めて有機的に絡め取ることが前提となる。
奪取後の攻撃も統一感を失わないことが必須。指揮官が選択肢の1つとして提示する、ビルドアップのルートだけがすべてではない。相手の状況をリアルタイムでキャッチしながら、薄いエリアにボールを流し込む作業が重要だ。どこに起点を置くか、ピッチ内の選手が意思統一を図れるかどうかが大きなポイントとなるだろう。
一方の琉球もまた、苦難の渦中にある。直近7試合は持ち前の得点力が雲散霧消し、1分6敗と白星から見放されて8位まで後退した。そして、クラブは20日に樋口 靖洋監督の解任と喜名 哲裕ヘッドコーチの昇格を発表。終盤戦での監督交代が停滞感を振り払うカンフル剤となるかどうか、注目が集まる。
[ 文:大枝 令 ]
