1日、栃木は田坂 和昭監督の今季限りでの退任を発表した。激戦を繰り広げた3年間だった。就任1年目の2019年はチーム作りに苦しんだが、最終節の勝利で劇的にJ2に生き残ると、昨季は一気に10位へと躍進。“栃木スタイル”と周知されるアグレッシブな戦い方を知らしめることになった。今季は主力の引き抜きや相手チームの対策などもあって苦しんだが、最終的には前節・北九州戦で勝利し、残留を決めた。
苦しみながら進んできた今季だが、栃木はここに来て「自分たちが積み上げてきたものは何なのか?」(田坂監督)をあらためて見つめ直していた。そして残留争いの直接対決となった前々節・金沢戦、そして北九州戦において、吹っ切れたように前からアグレッシブに圧力を掛け続ける栃木らしい戦いぶりで押し切り、2連勝を達成。その勢いのまま、琉球との最終節に挑む。
前節で残留を決めたチームだが、最終節に向けた士気は上々だ。田坂監督が言う。
「達成感はありません。なぜなら、今季の目標は10位以内だったからです。最終節に勝利すれば13位まで浮上できる可能性がある。1つでも上の順位で終わりたいと思っています」 今週の練習では「成長するためには、こういう1試合を無駄にしてはいけない。勝利へのプレッシャーを感じながらプレーするのがプロだ」と選手たちにゲキを飛ばし、士気を高めようとしていた。矢野 貴章は「観ている人に、栃木らしいサッカーだな、頑張っているな、と思ってもらえるような、アグレッシブな戦いをして、最後に勝って終わりたい」と意気込む。
直近2試合のように、力の限りを尽くす泥臭い戦いを90分間貫き、有終の美を飾ることはできるか。“田坂・栃木”が3年間の集大成となるラストゲームの舞台に立つ。
一方、琉球は就任3年目の樋口 靖洋監督を今季途中に解任。喜名 哲裕新監督の下、再出発を図っている。11月27日には喜名監督の来季続投が発表された。喜名監督はチーム作りについて「攻撃的なスタイルを貫く」と明言しており、変わらぬ琉球スタイルを突き詰めるべく、すでに来季へ向けた準備に入っているところだろう。
直近3試合はゴールを奪った上でのドロー決着。その流れを断ち切り、気持ちよくシーズンを締めくくることはできるか。
ハイプレスで圧力を掛け続ける栃木、相手の圧をいなしてチャンスメークを狙う琉球。明確な“矛盾”の構図が見える、緊迫の攻防が展開されるだろう。
[ 文:鈴木 康浩 ]

