藤枝、岐阜の両サポーターも気になる槙野 智章監督のサッカースタイルは、前任の須藤 大輔監督が目指した攻撃的で観て楽しいサッカーをさらに進化・強化させたもの。ハイライン・ハイプレスの伝統も引き継いでいるが、「UBAU(うばう)」というキーワードを掲げ、球際でボールを奪い切るという面にはより強くこだわっている。また、攻撃では「Mirageo(ミラージオ)」という造語をキーワードに、相手が幻惑されて予想できない変幻自在な攻撃、1つのボールに対して湧き上がるように多くの選手が絡んでいく迫力たっぷりの攻撃を目指している。
準備期間が1カ月強であるため、まだ完成度は十分とは言えないが、走力やインテンシティーの強化にも非常に力を入れており、槙野 智章監督はリスクを恐れないチャレンジを選手たちに強く求めている。「開幕戦はお祭り」という“お祭り男”の言葉どおり、選手たちが思い切り躍動する熱いゲームが見られるはずだ。
対する岐阜は、昨年7月に就任した石丸 清隆監督が続投し、「昨年までの強みでもあるアグレッシブさを土台に、アクションフットボールで主導権を握るサッカーをしていきたい」と目指すスタイルを定めた。戦力面でも、磐田から中村 駿、清水から羽田 健人と静岡勢の即戦力も加わるなどレベルの高い陣容を保ち、昨季はJ3の13位に終わったが、J2昇格への下地を着実に整えつつある。また戦術的な成熟度という面では、藤枝よりも一日の長がある。
両チームともアグレッシブかつ自分たちからアクションを起こして主導権を握りたいという共通点もある。百年構想リーグは理想を目指して積極的なチャレンジがしやすい大会でもあり、藤枝と岐阜が現時点の総力をぶつけ合う熱戦は、その開幕戦にふさわしいゲームとなるはずだ。
[ 文:前島 芳雄 ]


