おそらく、両チームともそんな思いを抱えながら最終節を迎えるのではないだろうか。互いにJ3降格組で、最短1年でのJ2復帰をもくろんでいた。しかし、松本は前節の黒星でほぼ不可能な状況となり、相模原は最下位という不本意なポジション。本来なら昇格争いの直接対決にしたかったはずだが、それは実現できなかった。
ならば、この最終節はどのような意味を帯びるか。少なくともホームの松本にとっては、J3随一の熱量を誇るサポーターに謝意を示す90分間としなければならない。これまでに積み重ねてきたアグレッシブな守備や、横山 歩夢、ルカオらスピード豊かな前線を生かした攻撃を披露し、最後は白星をつかんで終わりたい。
対する相模原も同様。今季これまでわずか6勝で、現在も9試合勝ちなしとなっている。すでに選手16人と薩川 了洋監督が契約満了などでチームを去ることが発表済み。中にはGK圍 謙太朗、水本 裕貴、船山 貴之とかつて松本でプレーした3人も含まれる。彼らが古巣のピッチで意地を示しつつ、最後は10試合ぶりの勝利で締めくくれるか。
監督対決も1つのトピックだ。松本の名波 浩監督と相模原の薩川監督は清水商高時代の同級生で、指揮官としてピッチで対峙するのは初。さらに薩川監督がサンプロ アルウィンで指揮を執るのは、当時JFLの長野を率いた2011年以来11年ぶりとなる。かつて“信州ダービー”を彩った個性派の指揮官。往時の血を騒がせながら、“ラスト・ダンス”の舞台に立つ。
[ 文:大枝 令 ]
