しかし、結果は完敗とはいえ、大迫 勇也やアンドレス イニエスタを筆頭に豪華タレントを誇る神戸も好調だった。神戸とはこれで今季四度目の対戦で初黒星となったが、それまでの3戦でも苦戦を強いられていた。わずかなボタンのかけ違いがあればこういった敗戦もあり得る話で、そこまで悲観する必要はないかもしれない。リカルド ロドリゲス監督は試合後に「どの局面でも相手を上回れなかったのが事実だと思うので、改善しなければならない」と敗戦を受け止めながら、「少し説明がつかないところもある。1回整理して、次に向けて考えていきたい」とも語った。
「立ち上がりが良くなかった」とアレクサンダー ショルツも述懐したように、開始直後から浦和は神戸の圧力に苦しんでいた。神戸は前線に人数をかけたプレッシャーに合わせて全体を押し上げ、江坂 任・小泉 佳穂のゼロトップが自由を謳歌していたライン間のスペースを封殺。浦和はうまく中央で起点を作れず、小泉はセルジ サンペールに自由を奪われ、サイドは対人に強い酒井 高徳と山川 哲史に封鎖された。さらに攻撃の始発点となる平野 佑一も大迫の強烈なプレスバックに時間を奪われる。
神戸の徹底した対策と個の強さに半ば自滅させられた格好ではあったが、それにしても「選手たちもフレッシュな状態だったが、試合になってみると重そうな感じも見受けられた」(リカルド ロドリゲス監督)と、ノエビアスタジアム神戸の芝への対応に苦労していた選手もいた中で、それだけではない動きの重さも確かに感じられた。中3日の連戦となる今回はメンタルの立て直しだけでなく、コンディションの再確認も必須となる。
対するC大阪もあまり良い状態とはいえない。8月26日に監督交代の決断を行ったが、そこから公式戦10試合で4勝6敗。AFCチャンピオンズリーグも含めての過酷な連戦に消耗し、リーグ前節ではひさびさに1週間空いての試合となったが、暫定最下位の大分に0-1と敗戦。なかなか勝率を五分に戻せないでいる。ただ大分戦は、公式戦13連戦の最後だったリーグ前々節・鹿島戦に比べれば内容は上向き。「負けるゲームではなかった」と原川 力が語ったように、チャンスも数多く作れていた。こちらも悲観し過ぎる必要はない状態だろう。
リーグ戦で3位以内を争っている浦和と、上も下も見えづらい順位にいるC大阪。置かれた立場は異なるが、トーナメントではそういった状況は関係ない。わずか180分で勝ち上がりが決まる。どちらがより直前の敗北から立て直せるか、そしてルヴァンカップのタイトルをどれだけ欲しているか。それだけが勝負の焦点となる。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
