それまでFWでプレーしてきた城後 寿をボランチに置き、その経験豊富なバンディエラを中心に後方の8人が堅く守り、攻撃は前線の外国籍選手に頼る割り切った戦いを実践。それが功を奏し、第1戦をジョン マリとルキアンのゴールで2-1、第2戦をルキアンのゴールで1-0と、2戦とも勝利を収めて、クラブ史上初のベスト4進出を果たした。
一方の広島は、リーグ戦を2分2敗の4戦未勝利と苦しむ中で横浜FMとの戦いに臨んだ。第1戦は、14分に柏 好文のゴールで先制。後半開始直後に追いつかれるが、71分に荒木 隼人が勝ち越し点を挙げると、後半アディショナルタイムに野津田 岳人のゴールも加えて、3-1で先勝。
アウェイでの第2戦も前半序盤にナッシム ベン カリファのゴールで先制。前半半ばに追いつかれるが、すぐに野上 結貴のゴールで突き放し、2-1で逃げ切り。福岡と同じく2戦とも勝利を挙げて準決勝へコマを進めた。
現在のチーム状況はどうか。福岡は17日の明治安田J1第30節で、残留争いのライバルの1つである清水を相手に、中村 駿の直接FKによるJ1初ゴールと山岸 祐也の2ゴールにより3-2で競り勝ち、リーグ戦9試合ぶりの勝点3を獲得。消化試合にバラつきのある暫定順位ではあるが14位へ浮上、降格圏脱出に成功してチーム内の雰囲気は良い。
広島は17日のJ1第30節・名古屋戦をスコアレスドローで終え、AFCチャンピオンズリーグ出場圏内である3位はキープしているものの、1試合消化が少ない首位・横浜FMとの勝点差は『8』となっている。
このリーグ戦における立ち位置、状況が今回のゲームにどんな影響を及ぼすのか。福岡は今季の目標である『カップ戦ベスト4』を達成済み。いまはJ1残留争いに注力するのではないかとの見方もある。
しかし、清水戦でリーグ戦7試合ぶりに先発して躍動した金森 健志は「みんなが力を合わせて戦った結果のベスト4なので、ここまで来たらタイトルを獲りたい。リーグ戦と同様に勝ちにいく姿勢を見せる」と、ファイナル進出とクラブ初のタイトル獲得に強い意欲を見せている。
広島はJ1優勝争いが厳しくなった状況の中で、リーグカップにおける過去最高成績である準優勝を越える頂点奪取に向けて、よりパワーを集中してくるとの見方もできる。しかし、福岡にとっては広島がどういう姿勢でこの準決勝に臨んでこようが、強敵であるとの認識は変わらない。
長谷部 茂利監督も「広島は『つけ入るスキがない』と言えるくらいの好チーム。自分たちの時間帯は少ないがあるはずで、そこで得点を取る。相手の時間帯が長くなると思うが、そこで耐えて失点を抑えられるかがポイント。いずれにしても3連敗しないようにしたい」と、今季のリーグ戦で2戦ともに敗れている広島へのリスペクトと最大の警戒を示しながら、しかしホームでの先勝をしっかりと狙っている。
ファイナル進出に向けてのアドバンテージを握るのはホームの福岡か、それとも広島か。
[ 文:島田 徹 ]


