名古屋は神戸と対戦した前節、すでにグループステージ突破を決めていたことと、3連戦の2戦目という日程の条件が重なり、直近の明治安田J1第14節・広島戦から先発メンバーを全員変更。平均年齢が22.08歳という若手主体のメンバーで臨んだ。その中でも特筆すべきは、アカデミー出身者や在籍者が8人同時に先発起用されたこと。近年の名古屋アカデミーの充実ぶりが表れている。
その若手主体の名古屋は、現在のトップチームとの戦いとは少し違ったテクニカルな戦いを見せ、内容的には非常に面白く、実際にスタジアムを沸かせる場面も多く作った。
JFA・Jリーグ特別指定選手の榊原 杏太と倍井 謙、2年目の豊田 晃大が攻撃にリズムを与えてチャンスを創出すると、高校3年生でプロ契約を勝ち取った貴田 遼河が最前線で果敢にゴールに迫る。貴田と同期の長田 涼平も、最終ラインで落ち着いたプレーを見せ、十分に対応できる素質を感じさせた。
惜しむらくは、チャンスは多くても決め切れなかったこと。そして、たった1つのミスから失点を喫して試合に勝つことができなかったこと。この事実が重く響き、長谷川 健太監督を満足させることはできなかった。
その中で、今節はまた違った戦いになりそうだ。今回はリーグ戦から1週間の間隔が空き、日程にも余裕があることで、リーグ戦組に数人の控え組が混じる形で臨むことになる。チームのテーマは“融合”。これまで出場時間の短かった選手が、主力組に入った中でどれだけの力を発揮できるかどうかが主題だ。
その中で特に注目したいのは、ボランチの山田 陸。神戸戦では若手選手をしっかりサポートしながら、得意の展開力を見せていたが、今季はその試合しかフル出場がなかった。
チームとして、ボランチの層の薄さはタイトルを目指す上で懸念材料の1つ。もし山田がリーグ戦でも使えるメドが立てば、稲垣 祥と米本 拓司のダブルボランチをうまく休ませることができるようになり、新たなオプションを手に入れることになる。
対する広島は、今節はほぼベストメンバーで勝利を狙いにくるだろう。引き分け、もしくは負けても他グループの結果次第ではグループステージ突破の可能性が残るものの、2点差以上で勝てば首位突破となる。序盤から得点へのモチベーションは間違いなく高いはずだ。
しかも、今季はリーグ戦も含めてすでに名古屋に2敗、しかも2戦とも悔しい逆転負けを喫している。同一カード3連敗は屈辱でしかなく、絶対に負けられない戦いとなる。
ただ、逆転負けというのは、裏を返せば先制点は取れているということでもある。試合の入りから圧力を掛けて先制し、今度はそのリードをしっかりと守り切ることができるかどうか。リーグ戦で見せているインテンシティーの高さ、守備の堅さをこの試合でも見せていきたい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
