ホームの名古屋は前節、国立競技場で『Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ』を戦い、30年前の開幕戦で0-5の屈辱を味わった鹿島に0-2で敗れ、リベンジを果たせなかった。
内容的にも相手の戦術を前に自分たちの良さを出し切ることができず、些細なミスで失点。攻撃面でも多くのチャンスを作ることができずに終わった。完全にお手上げという感覚でもなく、相手のしたたかさにやられた格好だが、残った事実は首位・神戸との勝点差が『6』に開き、5連勝の鹿島に追い上げられるという結果だけ。今節はその悔しさを晴らすためにも、絶対に勝利が必要だ。
しかも、相手は3位で並ぶ広島だ。広島も前節は神戸との上位対決で0-2の敗戦を喫している。敗れたほうが上位争いから一歩後退となる。
名古屋の注目として、まずは選手のリバウンドメンタリティーを挙げたい。完璧にやられたのなら切り替えもしやすいが、しこりの残る敗戦だっただけに、切り替えの仕方も難しい。
フィールドプレーヤーとしてチーム最年長の永井 謙佑は、「(前節は)まず迫力がなかった。キレイにやろうとし過ぎていたので、もう1回泥臭く、全員でハードワークをして勝点3を取りにいきたい。豊田スタジアムでは負けたくない」と前節を反省し、この試合に懸ける思いを口にした。
注目したい選手は、前節先制点のきっかけとなるCKを与えてしまった藤井 陽也、2失点目に絡んでしまった稲垣 祥。ともにチームを引っ張る主役だけに、今節ですぐに失敗を取り返したいところ。よりディテールにこだわって、厳しくプレーしたい。
また、攻撃陣ではマテウス カストロにも期待。気温が上がった週中の練習では、得意の左足から強烈なシュートを決める場面もあった。今季はまだ1得点だが、得意な夏を前にコンディションが上がってきているように感じられる。
一方、広島にとっても剣が峰の戦いだ。前節は首位の神戸に対し、キックオフ直後に決定機をつかむなど、絶好の入り方ができた。しかし、相手GKの好守に阻まれるなど、得点を挙げられずに折り返すと、後半立ち上がりにオウンゴールで失点。その後、4月度の月間優秀監督賞に輝いたミヒャエル スキッベ監督は選手交代を駆使して猛攻を仕掛けていったが、後半アディショナルタイムにカウンターから失点し、0-2で敗れた。
ただ、攻撃では良い形を何度も作り、決定機を決めていれば結果は分からない内容だった。こちらも前節の敗戦からどう立ち直るのか、自分たちのサッカーを貫き、相手を上回れるかが勝負のポイントになる。
両者はJリーグYBCルヴァンカップで同じグループとなって一度対戦済みで、そのときは名古屋が後半の2得点で逆転勝利を収めている。今季を占うと言っても過言ではない3位同士の上位対決で、生き残るのは果たしてどちらのチームになるだろうか。
[ 文:斎藤 孝一 ]
