ただ、1-1の引き分けで終わった第1戦でゴールを決めたのが両チームの若手選手だったことは、このルヴァンカップにふさわしい。鹿島の22歳・松村 優太が後半から出場し、49分に強烈なシュートを左足で突き刺すと、名古屋は79分からピッチに立った24歳・久保 藤次郎が90+4分に鋭いカットインからチームを救う同点ゴールを決めた。7月末に藤枝から完全移籍で加入した久保にとっては、これが加入後初得点。試合後、「ある意味、無心でやれたのが良かったと思います」と、まだ試合中かのような表情で喜びを語っていた。
第2戦は中3日で県立カシマサッカースタジアムで開催される。第1戦の後半ではいくつもあったカウンターのチャンスを逃し、追加点を奪えなかった鹿島としては、サポーターの大声援を受けられるホームで第2戦を迎えられることは大きなアドバンテージだろう。苦しい状況でも後押ししてくれるホームサポーターの力を借りて、準決勝にコマを進めたいところだ。
鹿島は体調不良者が続出し、選手起用が制限されていた部分もこの試合から解消されそうだ。公式戦2試合の欠場を余儀なくされた樋口 雄太は、第1戦翌日の練習からチームに合流。離脱期間も別メニューで調整を続けていたため「問題ないです」と、第2戦の出場に意欲を見せていた。
また、9月1日に加入合意が発表された柴崎 岳の選手登録が完了し、この試合から出場が可能となる。すでにトレーニングに合流し、随所に質の高さを見せているだけに、岩政監督の決断が注目される。
第1戦は、鹿島がゲームをコントロールする時間が長く、名古屋はサイドに人数をかけるもなかなか崩せない時間が続いた。後半になり、鹿島がコンパクトな陣形を維持できなくなると、名古屋の前線が前を向く回数も増え、鹿島に下がりながらの守備を強いていった。ただ、迫力のある攻撃を仕掛けた回数はそこまで多くなかったかもしれない。決定機の多さでは鹿島に軍配が上がった。
そこから中3日で修正できるポイントは少ないかもしれない。連戦ということもあり、コンディションが万全でない選手もいるだろう。今回もきっ抗した展開が予想される。第1戦を迎えるにあたって、岩政監督はこの準々決勝の位置づけを次のように語っていた。
「お互いさまになりますが、ギリギリの戦いをどちらが制するかという戦いになる」 ちょっとした差が勝敗を分けるかもしれない。
[ 文:田中 滋 ]

