すべてのJクラブがルヴァンカップに参加することになった昨季、宮崎は1stラウンド1回戦で当時J2の岡山と戦った。リーグ戦開幕2連敗という状況の中で臨んだカップ戦。就任したてだった大熊 裕司監督の戦術も選手同士のコミュニケーションも浸透していない時期ではあったが、選手たちは果敢に挑んだ。
開始早々ルカオに先制点を決められるが、その後の猛攻を耐えしのぎ、50分には上野 瑶介(沖縄SVへ期限付き移籍中)のゴールで同点に追いついてみせる。しかし、その後3点を追加され、1-4での敗戦となった。このときは悔しさを味わったが、この敗戦があったことで天皇杯2回戦でJ1磐田相手に逆転勝利、リーグ後半戦の10試合無敗を実現できたと言えるだろう。
今季も大熊 裕司監督が指揮を執る。今季、主将に就任したエース・橋本 啓吾や青木 心が残留し、期限付き移籍で在籍していた阿野 真拓、井上 怜、江川 慶城らが完全移籍に移行した。彼らによる昨季の経験をベースに、奥村 晃司、下川 陽太、松本 ケン チザンガらを補強し、戦力アップも果たしている。
リーグ戦では、2勝1分2敗で7位。5試合で7得点と、攻撃力は確実にアップしている。直近の明治安田J3第5節・栃木C戦では、勝利こそ逃したものの、前半のうちに3点をリードされながらも後半に2点を入れ、最後まで攻撃の手を緩めない粘り腰を見せた。
今回の試合では格上との対戦となるが、今後のリーグ戦や天皇杯を戦っていく上で、現在地を示す良い機会となるだろう。
一方、遠く宮崎の地に乗り込んでくる名古屋。昨季のルヴァンカップでは見事決勝に進出し、新潟と対戦した。前半のうちに永井 謙佑の2得点でリードしながらも、2-1で迎えた後半アディショナルタイムにPKを与えて追いつかれ、延長戦へ。延長前半に中山 克広がゴールを決めたが、延長後半にまたしても同点ゴールを浴びる。PK戦までもつれ込むが5-4で制し、優勝カップを手にしている。
一方、今季のJ1では、11位でシーズンを終えた昨季以上に苦しんでいる。開幕6試合で2分4敗と、いまだに勝星を得られていない状況だ。昨季までの守護神・ランゲラックの代役が期待されたシュミット ダニエルや、FWキャスパー ユンカーがケガで出遅れている影響も小さくないだろう。J3チームが相手となる今回の試合で、立ち直るための活路を見いだしたいところだ。リーグ前節・東京V戦後の記者会見で、長谷川 健太監督が復帰を示唆した元日本代表のシュミット ダニエルが出場するのかにも注目が集まる。
Jリーグ参入5年目のチームと、苦境に立つJリーグオリジナル10による対戦。果たしてどんな結果が待っているのか。
[ 文:高浜 確也 ]


