ホームの愛媛は大きく失速し始めた昨季終盤からの悪い流れを食い止められておらず、今季はまだ勝利を得られていない。シーズンをまたいだ不本意な連続未勝利記録は『17』まで伸び、まだ長いトンネルの出口が見えてきていないのが現状だ。
愛媛の今季の戦いぶりは、決してネガティブな面ばかりが目立っているわけではない。ハイラインからの積極的な守備が機能し、狙いとしているショートカウンターから複数のアタッカーが絡みながらフィニッシュに持ち込むなど、随所でチームの持ち味が発揮されている場面も作れている。それでも勝利から遠のいている理由は、長らく課題とされている守備面での脆さにあると言わねばならない。ここまで6試合を終えて、失点数はJ2ワースト2位の『14』。ここ4試合は先制点を奪って優位な展開に持ち込みながらも、そのあとに守備が踏ん張り切れず、ここ3試合はすべて逆転負けを喫する屈辱を味わっている。
ただ、苦しい流れの中で行われるこの一戦は、リーグ戦で多くの出場機会が得られていない選手らにとって大きなアピールの場となる。今季、キャプテンに任命されながら明治安田J2第2節・秋田戦の出場を最後に、正GKの座を奪われた白坂 楓馬は「僕自身、悔しい思いはしているし、それは僕だけじゃなく、ほかのサブメンバーも同じ。勝って現状を変えたいという強い思いも持って臨みたい」と意気込む。
愛媛は同じカップ戦である昨年度の天皇杯を完全ターンオーバーで臨み、J1勢も下してベスト16へ進出するとともに、チームに活性化をもたらす好循環を生んだ過去がある。その再現を目指したいところだ。
対する秋田は今季開幕連勝を収め、ポジティブなシーズンスタートを切ったが、そこからチームは思うような結果が得られなくなり、現在リーグ戦4連敗中。直近の第6節はアウェイで長崎に大量5失点で大敗を喫し、開幕当初の勢いはすっかり失われている。
秋田も愛媛同様、失速の大きな要因になっているのは失点が大きくかさんでいる守備面だ。攻撃面ではチーム総得点8のうち6得点を叩き出しているエースの小松 蓮が好調ぶりを見せているが、得意の堅守速攻でロースコアのゲームをモノにしてきた昨季とは対照的に、今季は守備で踏ん張り切れずに勝機を逸しているのが現状だ。
愛媛と秋田は約1カ月前にリーグ戦で対戦したばかり。その試合は小松 蓮の2得点で秋田が2-1と勝利を収めているが、愛媛も終盤に猛攻を仕掛けて多くの見せ場を作るなど応戦。見ごたえのある試合を演じていた。ピッチに立つ顔ぶれは大きく変わることが予想されるが、お互いのチームスタイルはそのまま。舞台も同じニンジニアスタジアム。結果はリベンジか、それとも返り討ちか。
[ 文:松本 隆志 ]

